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三井不動産 ビル・商業施設など既存街区を含むエリアをスマート化

2013.04.15 17:46

 三井不動産(東京都中央区)は日本橋室町三丁目で推進中の「(仮称)日本橋室町三丁目地区市街地再開発計画」にて、都市ガスを燃料とした大型の高効率発電機(ガスコジェネレーションシステム)を導入。平成31年の供給開始を予定し、東京ガス(東京都港区)と共同で地域電気供給事業・熱供給事業の実施を検討している。
 同事業では開発区域内や区域外の同社所有・管理施設はもちろん、それ以外の既存オフィスビルや商業施設等に対しても電気と熱を供給するとのこと。既存街区を含めた建物総延床面積が約100万㎡に対して、電気・熱を供給することができる電力供給可能量は約5万KWのため、供給先については、今後、供給可能エリアの建物所有者などと協議して進めていくようである。
 また、同事業は、日中は高効率発電と系統電力による電気、夜間は系統電力のみによる電気と賢く選択できる点が大きな特徴であり、発電には東日本大震災時にも供給が途絶えなかった「非発認定中圧ガスライン」を利用することで、非常時に系統電力の供給が停止した場合でもガス発電により各ビルのBCPに必要な電気の供給を実現している。
 さらに、最先端の高効率熱源設備による環境性能の高い熱を開発区域外の既存の建物等に優先的に供給し、発電時の廃熱を残さず使い切り、エネルギーの最大有効利用を図るなど、既存街区を取り込むことで開発区域内だけでなく周辺エリアも省エネ・省CO2に配慮した環境共生型の街へと進化させることができ、同社の試算によるとエリア全体で約3割の省エネ・CO2削減効果が可能となっている。
 都心部の既存街区に自立分散型電源による電気を供給する事業は日本初の試みであり、同社は今後も創エネ・省エネ・蓄エネ・エネルギーマネジメントなどによるスマート化や都市防災の整備を推進し、都心部における他のエリアにおいてもスマートシティ化を視野に入れているという。

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