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E&CS てこの原理で「地震を制する」

2013.03.04 14:31

 東日本大震災から2年が経過しようとしているなかで、耐震・免震などさまざまな工法が存在する。多くのビルオーナーはそれらについて非常に敏感なアンテナを張って、工法の違いや自らが保有するビルにはどれが合っているのかを熱心に研究している。
 そのなかでE&CS(川崎市高津区)が製造販売を展開しているのが「トグル制震構法」だ。 制震とは建物に設置した制震装置が地震エネルギーを吸収して、いわゆる「地震を制する」という意味。2本のトグル腕と1本のオイルダンパーで構成された増幅機構付油圧制震ブレースを、建物の柱梁の間に設置する。てこの原理を応用し、揺れエネルギーを効率よく吸収する。
 「トグル制震構法」が注目されている点は、東日本大震災において話題となった、長周期地震動の揺れに対して有効であること。新耐震基準であっても揺れが大きく、テナントの退去に至ってしまったというケースも聞かれるなかで、「トグル制震構法」を導入することで、そのような問題を未然に予防する。
 「『トグル制震構法』は、テナントが居ながら施工することも可能で、既存の建物への導入がしやすい工法ですが、一方で新築に導入した際には鉄骨枠が省略できますので、より高い意匠性を実現でき、多くの空間を確保できるため、既存・新築のどちらにも導入しやすい耐震工法と言えるでしょう」(谷口武氏)

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