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アスク 自動車を所有するよりもメリットが大きいカーシェアリングを導入する建物が増加中

2013.01.28 15:25

 コミュニティ内の住人が自動車を共同で所有・利用する「カーシェアリング」が人気だ。マンションフロントサービス会社のアスク(東京都港区)も、平成17年からカーシェアリング事業に進出。独自システム「カテラ」を平成21年に開発した。
 「少数の車を多数の人で共同利用する会員制レンタカーシステム『カテラ』の最大のメリットは、自動車の維持費が大幅に軽減できること。さらに自動車を所有していても頻繁に利用しないご家庭にとっては維持費の負担は大きく、自動車の維持費分で、よりグレードの高いマンションを購入される方が増えています」(機能推進二室 担当課長 竹谷 誠浩氏)
 さらに、引き合いが増えているのが、機械式駐車場の代替というケースだ。通常の機械式駐車場は15年ほどで大幅なメンテナンスを実施しなくてはならず、修繕費負担は莫大だ。そのため、修繕費の負担を減らすために、機械式駐車場を縮小し、代りにカーシェアリングを採用したほうが、トータルコストは大幅に抑えられる。また、東日本大震災以降、BCP対策として非常用発電装置に注目が集まっているが、同社のカーシェアリングは電気自動車を導入することも可能だ。
 「電気自動車の大容量バッテリーから電力を取り出し、分電盤を通じて非常用電力として使用できる仕組みになっており、携帯電話等の充電を行うことが可能になります」(竹谷氏)
 マンションにカーシェアリングを導入する際、免許証の有無が問題になり、管理組合の意思決定が難しかったが、現在はBCP対策として人気を博しているという。一方、ビルに導入するメリットとしてはテナントサービスが挙げられるが、ビルオーナーに対する導入メリットも大きい。駐車場の省スペース化はもちろん、環境配慮型ビルとして社会的貢献にも寄与できるのも大きな魅力だ。
 さらに、同社では「カテラ」のノウハウを生かしたマルチシェアリングを打ち出している。このシステムは自動車をシェアするだけでなく、電動自転車や電動バイク、専門工具などなど、「あれば便利だが、自社購入はちょっと」という備品をシェアすることができるシステムだ。「カテラ」と同様にIC免許証、フェリカカード(Suica等)、おサイフケータイを鍵代わりにして使用時のデータ管理ができ、利用時間や料金等の設定が簡単に行えるという。

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