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パソナグループ 新たな大阪拠点のコンセプトは「アート」 パソナグループの取り組みを発信する場に

2013.01.28 15:22

 昨年9月21日に営業を開始した総合人材サービス会社パソナグループ(東京都千代田区)の大阪新拠点「パソナグループビル」が話題になっている。同社の東京本社ビルは「東京」駅北側の呉服橋交差点に位置し、自然との共生をテーマにしたオフィス作りをコンセプトに掲げた「アーバンファーム」を開設しているが、大阪の「パソナグループビル」は「アート」がコンセプトだ。
 「パソナグループは平成元年より『才能に障害はない』をコンセプトに、障害者の雇用創造に取り組んできました。現在は当社の特例子会社パソナハートフルを通じて、働く意欲がありながら就労が困難な障害者の方々が、イキイキと働くことができる環境づくりに取り組んでいます」(広報室マネージャー 森川 洋子氏)
 同社では農業分野やパン製造など、障害者を対象にした様々な職業領域の開拓を実施してきたが、そのひとつがアート分野の仕事だ。当初は全国の障害者から絵画を公募し、絵葉書として販売することでサポートしてきたが、平成18年頃からは絵を描くことを仕事とする「アーティスト社員」として障害者を採用。現在14名が活躍しており、ビル全体にアーティスト社員が手がけた約200点の作品を展示。1階フロアのアートギャラリーをはじめ、2階には彼らの絵画を使ったステーショナリーグッズやTシャツ、ギフト商品等を販売する「アート村工房」を開設。また、1階には知的障害を持つメンバーが健常者と共に、添加物を使用しない天然酵母のパンやケーキ・クッキーを製造し、ビル内でワゴン販売を行う「パン工房」も開設している。さらに1階に入居するカフェ店には、同社のアーティスト社員の作品がインテリアデザインとして大きく採用されている。
 元々、同社の大阪拠点は梅田エリアの「阪急ターミナルビル」に集約していたが、今回の移転は「淀屋橋」駅と「本町」駅のちょうど中間、かつて農林中金と兼松が入居していたオフィスビルへの移転となった。移転の理由として「企業ニーズの高まる『BPOサービス』の事業活動の強化」とともに、『グループ派遣登録社員への福利厚生機能の拡充』を図るため」(森川氏)だが、同ビルは昭和42年に竣工した築年の古いビルのため、同社が理想とするオフィス作りに対して制限が少なかったことも理由のひとつだという。

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