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日本無足場外壁工法協会 足場不要の低コスト外壁工法に注目 オーナーが中心になり社団法人を設立

2012.07.23 17:44

 「無足場外壁工法」をご存知だろうか。外壁補修を行う際、仮設足場を設けず、屋上からロープで吊り下げたブランコ状の器具に乗って外壁塗装やシーリング工事を行う工法のこと。専門職人の技術力と十分な装備があれば人が立って入れる狭いスペースでも補修工事を行うことができ、仮設足場を組めない狭いスペースや隣地を借りられない場合でも補修作業を行うことが可能になった。また、高額な仮設足場が不要になるため、大幅なコスト削減を実現することができる。
 この無足場外壁工法は、欧米では大型橋梁やダムといった大規模工事に活用されてきたポピュラーな工法であり、厳しい法律によって安全基準が保たれているのだが、日本では安全基準が定められておらず、施工業者によっては技術力や装備に大きな隔たりがあり、優良な専門業者の絶対数が限りなく少ないのが現状。さらに、屋外窓清掃の延長と考え、安易に参入する業者も増えたため、施工業者が玉石混淆になっているという。
 それらの問題を解消し、一般ユーザーにあまり認知されていなかった無足場外壁工法のメリットや安全性を周知することを目的に、一般社団法人として「日本無足場外壁工法協会」が発足。同協会の代表理事を務める松山茂氏は、協会設立の経緯をこう話す。
 「私自身、20年以上にわたりビルやマンションの経営に携わってきましたが、外壁補修工事コストの大部分を占めるのが仮設足場の設置であり、非常に無駄であると感じていました。そのため、足場を組まなくても遜色のない仕上がりとなる無足場外壁工法のメリットを、同じオーナーに享受してもらうために社団法人を設立しました」
 同協会は現在20社が加盟。加盟企業ごとに外壁補修の得意分野が異なるが、エポキシ注入によるタイル補修、シーリングの打ち替え・打ち増し、外壁塗装・高圧洗浄・防水、爆裂カ所の補修、屋上防水など、通常の外壁工事ならほぼ対応することが可能。
 「しかし、加盟希望の企業数は急増していますが、当協会では施工実績や装備、施工後の評判などを調査した上で、一定の品質を維持できる優良企業のみの加盟を認めています。また、加盟業者から匿名で一括無料見積もりが可能な無料概算相見積資料請求にも対応しています」(松山氏)

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