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駐車場施設で初めて大規模な助成制度が採択 銀座駐車場がLED照明の新技術を導入

2012.07.09 11:12

 東日本大震災による電力不足問題は長期化し、電力受給者に対して今夏も節電対策が求められている。しかし、節電・省エネ対策といえども様々な手法があり、過度な対策は施設利用者の利便性を損ねる結果になりかねない。
 そんな中、銀座駐車場(東京都中央区)は、省エネ対策として24時間営業の大規模地下駐車場(駐車台数250台)にLED照明と照度を自動調整できる「LEDライトコントローラシステム」を今年6月から導入。従前の蛍光灯全点灯時に比べ、消費電力を80%弱削減する結果となった。
 省エネの根幹を担う「LEDライトコントローラシステム」は、省エネ機器メーカーである日本節電力開発(東京都千代田区)が展開している新しいLED照明制御器だ。同製品は、照明の光を100段階で調整でき、時間帯や場所によって照度を制御することにより『適光適所』(場所に応じて必要な明るさで使用する意味)の省エネを実現できる優れものだ。同駐車場では約1000本の蛍光灯をLEDに交換。時間貸し駐車場、月極駐車場など、用途エリアに分けてLEDライトコントローラ17台を導入している。
 「時間貸し駐車スペースは頻繁にお客様が出入りするため、暖かみを感じる色合いのLEDで明るめに調光しました。また、お客様の出入りが少ない駐車スペースはJIS照度基準の範囲内で調光し節電に努めています」(施設関係者)
 同システムはタイマー設定で照度を調整できることから、同駐車場では早朝・深夜帯は消費電力3Wまで照度を落とすなど、時間・場所等の条件に合わせた節電を実施している。さらに、導入後に気が付いた副次的なメリットとして、施設関係者はこう話す。
 「照明灯の発熱温度は、蛍光灯で50度以上ありましたが、今回導入したLEDは30度という低さに驚きました。事務所内の温度も下がり、冷房設定温度28度でも快適です。駐車場内の暑さ対策としても期待しています」  同駐車場は、設備の導入に当たって公的機関の助成制度を活用しており、同システムの性能面が高く評価され、導入コストの4分の3の助成を受けている。駐車場施設でこれだけ大規模な助成を受けた例は初めてである。

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