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<エレベータの新技術>日立製作所 群衆の行動を再現し予測

2007.11.05 14:34

 日立製作所(東京都千代田区)は横浜国立大学大学院環境情報研究院の森下信教授とジェイアール東日本企画と協働で、エレベーターを使った建物内の上下移動や各フロア内での歩行による水平移動など建物内における三次元での人の流れをシミュレーションで再現する事が可能なシステムとして三次元人流シミュレーション技術を開発した。
 この技術では多数の人の動きを予測する基本的な理論として「セルオートマトン型計算モデル」と呼ばれる群衆行動モデルとエレベーターの運行モデルを連動させる事により、建物内を移動する人々の動きを計算し、建物全体での人の流れを再現する事が可能。
 この「セルオートマトン型計算モデル」はフロアを格子状の領域に分割し各領域内の人の動きを周辺領域における人や障害物の有無などによって決定する事で、駅構内での数万人規模の群衆の動きを再現可能な技術。また、人の移動の状況を再現するのみならず、人の分布を決定する心理モデルを用いてロビーやエレベーターホールにおける人の挙動を忠実に再現する事で、混雑度や輸送効率を高精度で評価する事が可能である。この技術を用いる事により、オフィスビルやデパートなど建物の用途に応じてセキュリティゲートやエレベーターなどのレイアウトを輸送効率や混雑度など定量的な指標に基づいて適切に決定する事が可能になる。

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