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<注目企業>M&Aオークション 全国規模の居抜き物件ネットオークションを展開 閉店者視野に入れ新たな市場を開拓

2007.08.13 17:16

 M&Aオークション(東京都中央区)は、平成18年7月からトライアルを経て、同年10月より「店舗そのままオークション」を展開している。
 開設より着実に登録会員数を伸ばし、平成19年7月末には会員数1万人を突破。このサービスは、店舗物件を専門とした全国規模のインターネットオークションで、居抜き物件の閉店・出店ニーズをマッチングさせることで双方にメリットを提供するシステムだ。居抜き物件は出店者にはローコストで開店できるメリットがあり、閉店者は解体費・原状回復費や物権解約までの空家賃から開放される。
 従来の店舗不動産取引は、閉店側に原状回復を行なってもらい、スケルトン状態の不動産情報を新規出店者に流通させる方式だった。しかし、飲食店業界は平成15年以降廃業数が新設数を上回るようになり業態寿命が短縮化。各社は可能な限り低コストでの出店を望んでいる。
 「これまでの不動産取引における顧客は不動産オーナーと新規出店者でしたが、閉店者も顧客とすることにより、不動産オーナー、新規出店社、閉店者の3社にとって更なるメリットを創出しています」(代表取締役社長大桑一雄氏)
 このサービスは、いわゆる2等立地物件の成約が多いことも特徴だ。大手チェーン店は1等地や1・5等地の物件を欲しがり、実際に路面店以外の成約率は低い。だが、中小企業にとっては2等立地も掘り出し物となり、1等立地に変化する。ビルオーナーは、家賃を下げてテナント誘致せずとも、全国範囲で情報を流すことにより、成約率を高めることができる。
 「住宅やオフィスと異なり、店舗物件は相場があるようでないのが実情です。実際の相場感の2倍3倍と変化することも多々あります。双方が納得いく相場形成には、オークション方式が魅力的なものとなります」(大桑氏)

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