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<新事業戦略>ラルゴ・コーポレーション 都内4物件を組入れた不動産私募ファンド組成 今期3本のファンドで250億~300億円運用

2007.07.23 16:42

 ファンドデベロッパーのラルゴ・コーポレーション(東京都千代田区)は、6月20日付けで資産総額約82億円の不動産私募ファンド「ラルゴ・オフィスファンド」の本格運用を開始した。組入れたのは、東京都内(神田、原宿、築地、銀座)の中規模オフィスビル4物件。IRRは10%前後で、3年以内の売却を検討している。
 「当社は平成15年8月の創業以来、経営資源を全て不動産ファンド市場へ特化し、ファンドソリューション事業として仲介、コンサルティング、証券化サポートなどを手掛け、ファンドデベロップメント事業として自社開発物件のファンドへの売却を手掛けてきました。今回のラルゴファンドの組成で、当社の三本の柱1.ファンドソリューション事業、2.ファンドデベロップメント事業、3.ファンドマネジメント事業が確立致しました。第1号ファンドはオーソドックスな都心部のオフィスを組入れたコアファンドとしています」(代表取締役山本治男氏)
 既に、第2号となる「ラルゴ・オフィスビル・ファンドⅡ」の組成に着手しており、こちらは資産総額50億〜100億円で、都心プラス地方の一等地に建つ中規模オフィス5物件前後を組入れる予定。ファンドタイプは、デベロッパーとしての本領を発揮できるバリューアップ型とし、払込日は今年9月を予定する。
 また、年内には3号ファンドも立ち上げ、総額250億〜300億円程度を運用していく見込みだ。3号ファンドはホテルや介護施設、病院などのオペレーショナルアセットを組入れたものとなる予定だ。
 「今後は、企業やビルオーナーが所有する不動産をオフバランスおよび流動化していくCRE(企業不動産戦略)が、事業の柱の一つになると想定しており、あらゆるタイプのファンド組成に関するノウハウの蓄積を目的にしています。また、投資家に対してはブティック型のファンド運営を行っていくことで、多様な投資ニーズに対応していきます」(山本氏)
 なお、ファンドデベロップメント事業では、東京都内および九州・福岡市などでの賃貸住宅開発に実績があり、今後は東京都心でオフィスビルやビジネスホテルの開発に着手する予定である。
 ファンド向けのデベロップメント、コンサルティングおよび不動産オーナー向けのCREサポート、そしてファンド運用事業が、互いに相乗効果を発揮するビジネスモデルを構築する方針だ。

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