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住友不動産 代表取締役社長にプロパーの小野寺氏が昇格 高島氏は代表取締役会長に

2007.05.21 14:26

 住友不動産(東京都新宿区)は、今月17日、高島準司社長が代表権のある会長に就き、新代表取締役社長に小野寺研一代表取締役兼専務執行役員が昇格する人事を発表した。髙城申一郎代表取締役会長は相談役に、安藤太郎代表取締役相談役は代表権を返上する。異動日は6月28日の予定だ。
 高島氏は昭和46年に住友不動産に入社し、平成6年から取締役社長を務めてきた。就任直後の決算では230億円の赤字を経験したが、10期連続の増収増益を記録し、経常利益は7期連続で過去最高を更新。13年間で経常利益を370億円から1120億円にまで引き上げた。会見で高島社長は、「13年間で、バブル後の厳しい状態を本来の姿に戻し、経営陣の若返りを図った。今後は新社長に成長路線を続けてもらいたい」と語った。
 小野寺次期社長は、青森県西津軽郡の出身。早稲田大学政治経済学部を昭和45年に卒業し、同年住友不動産に入社した。昭和49年から取り組んだ「新宿オークタワー」はじめ、「泉ガーデンタワー」など大規模再開発をけん引した事業部畑出身。就任後は、平成20年3月期を初年度とする第3次3ヵ年計画の達成が最初のハードルだ。小野寺氏は「既に27棟、23万坪のビル用地を仕込んでおり、事業化で400億円の売上を見込むなど、見通しは立っている」と自信を見せる。
 今後は「土地は自分でつくるもの」(小野寺氏)という強みを持つ仕入力で、第4次計画への布石を打っていく。

平成19年3月期決算経常利益、初の1千億円突破
 連結売上高は、前期比4・7%増の6768億3400万円、営業利益は22・5%増の1371億7600万円、経常利益は29・1%増の1124億600万円となった。業績を牽引したのは、約200億円増益の不動産賃貸部門。神田ビル、三田ツインビルの稼働開始や、既存ビルの賃料値上げが貢献した。また、賃料改定などで約50億円の利益を上乗せしている。空室率は4・8%と他社より高いが、「空室は金の卵、安売りせずにじっくりテナントを探す」(齋藤隆専務執行役員)という方針で、次期経常利益は1200億円を目指す。

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