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<アジアビジネスパーソン意識調査>森ビル 求められる東京の国際競争力 アジアビジネスの中心都市は香港から上海へ

2007.03.26 13:54

 森ビル(東京都港区)は、昨年10月〜11月にかけて実施した「アジアビジネスパーソン意識調査」の結果を発表した。
 調査対象はアジア主要5都市(上海、香港、台北、シンガポール、東京)の超高層複合ビルに勤務するビジネスパーソン524名。「ビジネスの中心都市」としては、香港(32%)という回答が最も多く、次いで上海(22%)、東京(21%)、シンガポール(20%)という結果であったが、5〜10年後の中心地は「上海」という回答が55%を占め、他の都市を大きく引き離した。
 一方「魅力的な都市は」という質問も、現在はシンガポール(24%)という回答が多いものの、5〜10年後には上海(46%)が突出した評価を得ている。東京は現在で22%、5〜10年後で11%と、評価が下がっているようだ。回答した都市が、5〜10年後に最も魅力的になる理由としては、上海の場合、「投資環境」と「ビジネス市場規模」がそれぞれ高い評価になっており、東京は相対的に低くなっている。しかし、東京およびシンガポールは「治安」に対する評価が高い。
 各都市のビジネスパーソン像として、上海ではコミュニケーションを重視した、アクティブなワークスタイル・ライフスタイルを志向していることが分かった。また、キャリアを重視する傾向が強く、これはシンガポール、香港、台北と続く。こうした価値観も上海のビジネス都市としての成長の背景となっているようだ。
 「勤務するオフィスビルは静かな雰囲気より活気・賑わいがあったほうがいい」という質問に対しては、いずれの都市でも活気・賑わいを求める結果となったが、特に上海はその傾向が強く、都市としての活気ともつながる結果となった。東京の国際競争力向上が求められそうだ。

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