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ジャパンリアルエステイト投資法人 三菱総研ビルと三菱UFJ信ビルを交換 大手町連鎖型再開発を睨んで400億円超の資産交換が成立

2007.03.12 17:19

 ジャパンリアルエステイト投資法人は、保有する「三菱総合研究所ビルジング」の信託受益権と、三菱地所(東京都千代田区)が保有する「三菱UFJ信託銀行本店ビル」の土地・建物の共有持分を交換する。
 交換の理由は、三菱総研ビルが、連鎖的なビル建て替え事業を進める大手町土地区画整理事業施行地区内に位置しており、既に一次再開発事業がスタートしていることから、早期に第2次事業への参加・不参加につき意思決定する必要があること、築37年という競争力低下が懸念されること、賃貸可能面積約1万8000㎡の内、8割以上を使用する三菱総合研究所との定期建物賃貸借契約が平成23年3月末に期間満了となることがある。連鎖型再開発に賛同する場合、建替え期間中の損益が悪化するおそれがあり、単純売却では運用資産の減少およびポートフォリオキャッシュフローの低下があるため資産の交換を選択した。
 譲渡する三菱総研ビルは、大手町2丁目に立地する地上15階地下2階、延床面積約2万6372㎡のオフィスビル。平成13年9月に約272億6700万円で取得していた。今回の譲渡価格は419億円だ。
 丸の内1丁目に立地する三菱UFJ信託銀行本店ビルは、地上29階地下4階、延床面積約10万8171㎡の事務所・店舗ビルで、日本工業倶楽部会館と一体になっている。取得したのは、土地所有権(2筆計700・81㎡の共有持分1000分の226及び1筆5085・53㎡の共有持分1万分の2795)と、建物の区分所有権(建物所有割合19・38402%)で、取得価格は447億円。交換取引において、取得資産の土地部分は圧縮記帳を行い、譲渡資産の譲渡益のうち圧縮限度額の見込相当額約144億円を取得資産の取得価格から控除する予定だ。取得資産の帳簿価格は取得諸経費などの反映前で約303億円となる見込みである。
 なお、三菱地所は、大手町の一次再開発に事業パートナーとして参加しており、三菱総研ビルの取得は、今後の二次開発への布石と見られる。

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