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日本橋室町東地区 高さ100m超の複合ビルを5棟計画 日本橋川隣接地権者の容積・権利移転も検討

2007.03.05 17:32

 中央区の築地市場等街づくり対策特別委員会において、三井不動産(東京都中央区)や野村不動産(東京都新宿区)他、20名の権利者が進める東京・日本橋室町東地区都市再生特別特区の都市計画が明らかになった。
 対象となる区域は日本橋室町1丁目5番の一部および同2丁目2〜5番の約1・8haで、1300%の容積率、最高高さ約125mの特例の適用を見込んでいる。低層部のデザインを街区向かいの三井本館などに合わせた31mに統一。事務所、文化・商業、住宅、駐車場などを備えた5棟のビル(延床面積合計15万4800㎡)を建設する計画だ。
三井不動産が進める三井第三別館の建替え「22街区」と、野村不動産が進める新室町ビルの建替え「24街区」は、今年秋頃から先行して着工する。
 2-2街区は約2450㎡の敷地に地上18階地下5階のビルを建設。計画容積は業務約2万2370㎡、商業など約1万3630㎡で、平成21年秋の竣工を目指す。2-4街区は約3250㎡の敷地に地上21階地下4階の規模で、業務2万4500㎡、商業など約1万7900㎡を予定。平成21年冬の完成を見込む。最高高さは共に約105mを計画している。
 街区全体では業務約8万9300㎡、商業約6万5500㎡を予定し、平成24年冬の竣工を目指している。この地区では、近接する日本橋川に架かる「日本橋」の上部の首都高速道路移設問題が懸案としてあるが、計画を実現するには、日本橋川両岸に建つビルを撤去する必要がある。高速道路移設後も日本橋川周辺の景観などに配慮して低層建物しか建設しない計画であるため、中央区の考えでは、この地区の開発に絡めて日本橋側両岸の地権者の容積・権利移転の受け皿としても検討しているという。先行する2街区については計画がほぼ固まりつつあるため、容積・権利移転を盛込むのは難しいが、既に「日本橋」の北側に日本橋大栄ビルを所有する大栄不動産などが容積移転に賛同する声明を発表しており、残る3街区は地域全体の整備計画を進める上で中、注目を集めている。
 「もちろんこの計画だけではなく、京橋・八重洲でも複数の再開発や建替えが計画されているため、他の計画にも容積・権利移転の受け皿としての協力を要請しながら日本橋の高速道路移転を実現させたいと考えています」(中央区地域整備課長田村嘉一氏)

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