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<トップに聞く>イントランス 昨年12月15日、東証マザーズ上場を果たす ハンドメイド型不動産再生事業が強み 今後は投資対象を大阪などに拡大予定

2007.01.01 10:07

ハンドメイド型不動産再生事業が強み 今後は投資対象を大阪などに拡大予定
 プリンシパルインベストメント(不動産投資・再生)事業、ソリューション(賃貸管理・PM)事業を柱に成長を続けてきたイントランス(東京都渋谷区)が昨年12月15日、東証マザーズに上場した。不動産再生・流動化事業と全く視点の異なるアプロ―チにより、個々の不動産の持つ特性を最大限に引き出しながら企画・提案を行う「ハンドメイド型」の不動産再生が同社の強みだ。
 同社代表取締役の上島規男氏は、「ハンドメイド型不動産再生事業」について次のように語る。
 「人間個々の性格や容姿や年齢が異なるのと同様、不動産も立地や用途や築年数など各要因すべてが異なります。医師が病気やけが等の症状に対して個別の処方箋を用意するのと同じように、当社は個別の不動産が持つ潜在的価値を最大限に引き出すバリュ―アップ手法をハンドメイドで企画・提案することで、他社との差別化を図るのです」
 同社は仕入れからバリューアップ、そして販売までを営業担当者が終始一貫して行う方針を採っている。個々の物件に対して各一人の再生に対して責任を持って取り組むことで、マネジメントに最善を尽くすのである。
 投資対象は、主に都内23区のオフィス・商業ビル、レジデンスなどで、価格は3億〜20億円が中心。物件取得後は、管理費の見直し、自動販売機の設置、携帯電話基地局の誘致や必要に応じて物件に合ったリニューアル、リノベーション、さらにはコンバージョン等を実施、リーシングを行うことでキャッシュフローを改善することとなる。
 「先日当社が取得した『イントランス池袋ビル』は、平成7年竣工のカラオケ店が入居していた物件です。もとの外壁デザインを活かしながら、飲食店舗の誘致を想定した外観に改装し、テナント看板が設置できるスペースを用意することにより、賃料単価を向上させ、キャッシュフローを改善しました」(上島氏)
こうしたハンドメイド型の不動産再生事業の積み重ねが、会社設立からわずか8年での上場につながったのだ。なお、上場により得た調達資金については、プリンシパルインベストメント事業における物件取得資金に充てていくこととなる。
 「今後、投資対象を大阪などに拡げていくことになると思います。当然、これにあたって欠かせない要素が人員の増強および育成になります」(上島氏)
 上場により知名度が向上したことで、優秀な人材が同社にアプローチしてくるようになっているという。今後は新卒採用も増やし、教育制度を充実させるとともに、モチベーションを高めるための報酬制度の整備などにより、内部管理体制を強化していく方針だ。

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