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アーバンコーポレイション 不動産管理子会社のサービスメニューを拡充 年間2件の大規模再開発参画を目指す

2006.05.29 15:55

 アーバンコーポレイションの06年3月期決算は売上高12・8%の増収、経常利益12・6%の増収だが、07年3月期は連結売上高1130億円の75・6%増収、経常利益430億円(4倍)を予想する。同社の戦略とはどのようなものなのだろうか。
 アーバンコーポレイション(広島市中区)は、不動産流動化事業を中心とする想定以上の事業進捗を理由に、08年3月期経常利益の定量目標を200億円から400億円に引き上げるなど、今期から見直した中期計画をスタートさせた。マーケットに左右されない成長を目指して、コア事業である不動産流動化および分譲不動産の更なる強化と、周辺事業の充実を図る。
 不動産流動化事業における資産残高は、06年3月末現在で、オンバランス821億円、オフバランス2458億円の合計3279億円に拡大。今後も年間1500億円以上を投資して、700億〜900億円売却し、少しずつ保有資産も増やしていく。
 周辺事業への取り組みとしては、不動産総合サービスの充実を目指して、グループの不動産管理子会社アーバンコミュニティを事業拡大に向けて強化。FM業界で実績を持つジョンソンコントロールズ取締役の石川裕一氏を社長に招聘し、同社との協業体制を築いた。従来のビル・マンション管理に加えて、PM、FM、コンストラクションマネジメント、エンジニアリングサービスまでサービスメニューを拡大する。想定するユーザーはプライベートファンドや一般企業の保有するオフィスおよび商業施設などの事業用物件で、コストダウンに対する成功報酬型フィーの導入など、独自の取り組みで受託件数拡大を目指す。
 また、グループ会社でサブリース、賃貸仲介を展開してきたSBAマネジメントはレジデンスPMに軸足を移行。ウイークリーマンションやサービスアパートメントなどサービス形態の拡充を図る。
 新規事業として大規模再開発事業に着手。現在、広島・福山駅前と、大阪・南港コスモスクエア地区で大規模再開発の事業者として計画を進めており、さらに2件が内定。「年間12案件程度のプロポーザル、ビットに参加して2件ぐらいの割合で参画を目指す」(房園社長)というように、プロジェクトマネジメントノウハウの蓄積を図り、大手不動産事業者の一角に食い込んでいく。
 海外では今年になってからシンガポール、韓国・ソウルに相次いでマーケティング拠点を設置し、2007年3月期において100億円程度の投資を検討する。

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