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<屋上活用>南洋堂ビル 広告塔を兼ねたルーフラウンジを設置 EV無しビルの上層階に人を呼び込む新アイデア

2006.04.03 15:26

 東京都千代田区神保町にある建築専門書店・南洋堂ビル屋上(千代田区神田神保町1-21)に、ルーフラウンジが登場した。路上から見ると、青空をバックに赤くて丸い屋根のようなものが見える。鏡面になっているため歩くたびに表情が変わり、場所によっては路地の色が映し出される。
 設計は、建築家の山本氏、今村氏、南氏の3名で構成された『プロスペクター』によるものだ。
 「周囲のビルには文字の多い通常の四角い看板がかけられていますが、ビル自体を目立たせるしくみにはなっていません」(今村創平氏)
 花が咲いたようにも見えるルーフラウンジには、ビルに注目を集める広告塔としての機能があり、付加価値を与えているという。
 「ビルはその土地に長くあるものですから、インターネットでは流せない、実物としての魅力があるものを造りたかったのです」(南泰裕氏)
 また、人が腰掛けられるスペースも用意され、くつろぎの空間としても利用できる。「
この場所を通過する人と留まる人が、互いに交流を持つ接点となればと考えております」(山本想太郎氏)
 では、収益を見込めるスペースとしての活用法は考えなかったのだろうか。南洋堂の店主であり、ビルの所有者でもある荒田哲史によると、「エレベーターがないため客足が上の階に向きづらい。これを解消する方法を模索していたところ、このアイデアにたどりついたのです」
 書店を経営する荒田氏にとって、集客効果があることは重要なポイントなのだろう。なお、ルーフラウンジは南洋堂にて、4月8日まで11時〜19時の間、見学することもできる。

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