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<話題の会社>山京商事 銀座のビルを坪1億2千万円で取得したことも 創業50年の総合ビル管理会社約 30棟の物件管理を請負う

2005.12.26 14:03

 首都圏を中心に約30棟のビル・マンションを管理し、ビル・マンションの総合管理会社として50年の歴史を持つ山京商事。「山京」の冠が付くビルをご存知の方も多いのではないだろうか。
 現在、同社は東京都中央区・千代田区を中心に約30棟のビルを管理しているが、10年前には、約50棟のビルを所有するオーナーでもあった。かつて、土地神話の元、不動産価格高騰に沸いていた当時、銀座外堀通り沿いにて坪1億2000万円にてビルを取得し、業界で話題になったことも記憶に残る。
 「バブルが崩壊し、想定していた賃料が確保できなくなり、売上高やキャッシュフロー等から見て、負債を軽減しようと、資産の売却代金を負債返済に充てることになりました」
 山京商事代表取締役専務の望月俊英氏は当時をそう振り返る。
 昭和30年11月創業の同社が、分社化し平成11年1月に総合ビル管理会社として独立。平成13年7月には札幌に「山京ビルマネジメント」を設立し、現在に至っている。
 「現在管理しているビルは、所有していたものと、竣工当初物件を管理する上で、オーナーに山京の名前を付けてもらったものとに分かれます。売却したあとも管理は引き継いだケースの方が多い形になっています」
 「やむを得ず」の決断だったとはいえ、所有と経営の分離が浸透してきている昨今の不動産業界において、結果として同社は、財務状況を改善させることに成功した。物件売却を余儀なくされた当時も、社員のリストラを全く行わなかったという。
 現在は、かつて売却したビルのうち、売却先となった新オーナーが跡継ぎに悩んでいる物件の買い戻し、また、それ以外に新規で新たな物件の取得も視野に入れ始めている。

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