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森ビル 六本木ヒルズ森タワーに導入 長周期地震動検知システムの稼動開始

2005.10.31 17:08

 森ビル(東京都港区)は、六本木ヒルズ森タワーにて「長周期地震動検知システム」の稼動を開始した。
 昨年10月の新潟中越地震の際、六本木ヒルズ森タワーでは、一部のエレベーターで運行を制御するロープが長周期地震動に合わせて大きく共振したことで、一部部材の損傷などの故障が発生し、運行停止状態となったことに対応したものである。揺れが小さく、かつ長周期成分を含む地震において、地震管制システムが反応しないことについては、これまでの課題とされてきた。そこで、同社は、エレベーターの安全停止、閉じ込め防止や早期復旧を果たすため、エレベーターの感震器とは別に、同社が独自に設置する地震計を活用した独自の長周期地震動検知・管制運転システムの構築にメーカー数社とともに取組み、システム開発が完了したことによって、今回の稼動に至ったという。
 建物頂部に備えられた、振り子のセンサーで、長周期地震動を建物の揺れとして感知して信号を発信させる「ペンデュラム方式」と、エレベーターとは別に備えられているデジタル記録型の地震計を用いて、初期の長周期地震動成分を感知し、建物のゆれに合わせて、エレベーター・ロープが共振して大きく揺れる前に信号を発信する「長周期型スペクトル方式」を併用したシステムを導入した。

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