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パシフィックセンチュリープレイス丸の内竣工 外国資本による国内最大の不動産開発事業

2001.11.26 09:58

 今年最後の大型物件「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」がついに竣工した。香港資本の大型ビル、坪4万円を超える賃料など様々な話題をビル業界に振りまいた注目物件だ。今後本格化する丸の内再開発の先駆的存在として同ビルが果たしていく役割は大きいと思われる。
 11月20日、パシフィックセンチュリープグループが、東京・丸ノ内にオフィス・ホテル・店舗を含む複合施設「パシフィック・センチュリープレイス丸の内」を竣工した。このビルは地上31階、高さ150メートルで、オフィスフロア24階ホテルフロア5階・店舗および駐車フロア各2階で構成されており、敷地面積は1930坪、払込資本金は637億円で外国資本による過去最大の不動産開発プロジェクトである。
 このプロジェクトにおいて特に強調されるのは、まず最先端の耐震性能である。都市のライフラインが生きている限り、業務を再開するべく、即、建物を再稼働することが出来る。また非常用発電機によって二日間程度は電力を確保電力を確保することが出来るようになっている。
 また、都市景観や街並みとの協調を重視している点も特徴として挙げられる。最も目を引くのは全面ガラス張りの外装で、オフィス内からは東京の街並みを展望でき、外側からはブラインドを強調することで、ライトアップを演出することが出来る。ちなみに全面をガラス張りにする事で採光率が上がり、30%電力の削減につながるという効果もある。また都市景観に配慮して、敷地をフルにビル機能の設備にすることを避け、公園状の広場など多くのオープンスペースが設けられている。その広場には発光する石粒が埋められており、無機的になりがちな石畳の広場に彩りを添える演出がなされている。
 現在、テナントの契約率(但し、商業スペースに限ると100%)不況の現在、テナントをめぐる状況が厳しい事は代表取締役の喜吉憲社長も認めるところである。

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