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三鬼商事調べ 都心主要5区オフィスビル市況 千代田・新宿・渋谷は空室率3%台 全体的には回復の兆し

2000.07.17 10:56

 大手仲介会社の三鬼商事(中央区)は都心主要5区の6月末時点におけるオフィスビル市況を発表した。
 それによれば、都心5区の平均空室率は4.20%と前月に比べ0.28ポイントの改善となった。
 昨年6月末に5.67%だった都心5区の空室率は今年1月から2月にかけてやや上昇したものの、この1年総じて減少を続けている。特に港区の「芝公園ファーストビル(延床1万8878平米)」が満室稼働で竣工するなど近・新・大のビルが市況を引っぱる形となった。
 こうした現状について同社では「大手企業の合併や集約に加えてベンチャー企業の動きが活発になっている。郊外から都心への移転もあり好条件の大型ビルは品薄感が出てきている、東京のビル市場は回復基調にある」と分析している。
 しかし、区別空室率では千代田・新宿・渋谷3区が3%台であったのに対し中央・港両区が5%を示すなど明暗がわかれた形となった。新宿区は年内の新規供給がないこと、渋谷区はIT産業の集約や拡張が好調の一因となっている。
 一方、賃料については6月末時点で平均1万9715円となっており、これは前月比で僅か0.05%(10円)の下げに留まっている、こうしたことから賃料についてはほぼ横ばい状態に入ったと見られる。
 「従来のオフィスコスト意識にはまだ厳しさが感じられるものの、その一方で設備面での要望も強まっており、大型新築ビルや好条件の大型既存ビルでは募集賃料が下げ止まりにくくなっている」と同社は分析をしている。
 しかし、新築ビルと既存ビル間には坪あたり3520円の差があり、また大型ビルと小型ビルのビル間でも6291円もの差が生じており、ビル間の体力差を如実に表している。

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