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大林組 日本初の「環境振動予測システム」開発 工場建設計画などに応用可能

2000.07.10 11:30

 大林組(港区)は機械や鉄道・車両等から発生する各種振動が地盤を伝わり周辺の建築物や精密機器にどの様な影響を与えるか、という点を高精度に予測するシステムを日本で初めて開発することに成功した。振動公害対策や精密機器の防振対策に高い効果を発揮するものと期待されている。
 これまでの振動予測システムは振動源と評価地点の2次元(直線的)に限定してモデルを作成したり計算したりすることが一般的であった。これは、振動の影響を正確に3次元(立体的)で予測する為には地盤の状況や機械基礎の形状や重量、振動の大きさや振動数などの諸条件を勘案し複数の計算の手順や評価式を変えるといった専門的な知識とノウハウが必要であったことが原因。
 今回、同社では予測精度に疑問が残る2次的モデルにかかわるものとして3次元モデルの計算・予測解析をコンピュータでデータベース化することに成功。簡単な入力項目で①解析モデルの作成②諸データの入力③解析④評価という工程をパソコンとエンジニアリングワークステーション上で自動に行うことを可能とした。
 これにより地盤を介した振動の伝わり方を専門家でなくても予測することが出来る様になり、ISO14001などの環境配慮も的確に行うことが可能になる。
 今度同社では向上計画地の振動予測などに役立ててゆく考えだ。

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