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ビニライト 防火・防音性に富んだ新建材開発 木炭用いて脱臭効果も 製造・販売について協力企業募る

1999.12.20 16:18

 建材メーカーのビニライト(東京都久留米市)は発泡ウレタン混入セメント板に木炭粉を加えた防火・防音・吸排湿建材「エコ炭UCボード」を開発した。今後全国規模で製造や販売を行ってくれる協力企業を図っていく予定だ。
 同社は10年前より発泡ウレタン混入セメント板製の不燃、防音建材「ビニライト」を手がけ、東京ドームの防音壁材にも用いられて来た。
 今回はそれに加えて、その多孔質性から吸湿性、消臭性に優れた木炭を原材料に用いることで「ビニライト」の性能をさらにパワーアップさせたものだ。
 「イメージとしては日本古来の土壁に似ています。土壁造りの蔵は防火性に優れ、また内部の温度や湿度を一定に保つので物を保存するのに適しています。今回木炭を持ちいたことで、それに近い環境を造り出すことが可能になります」(渡辺久社長)
 もちろん土壁と違い軽くて扱い易いのが大きな特徴、カッターナイフで切れる程加工性に富む一方で、荷重は1平方センチあたり17キログラムと強度も相当な物だ。
 オフィスビルのニーズとしては湿気が大敵の書庫やOAルーム、防音性が重要となる会議室や商談ブース、煙のにおいが気になる喫煙コーナーの内壁などが考えられる。
 また最近では不動産の有効活用の観点から書庫や工場などの一部をオフィスに改装する動きも強まっているが通常の建材だとその断熱性の低さから冬期には底冷えがひどいという難点もあったが、そうしたネックも解消される。
 「他にもOA床やパーティションに組み込んだりと様々な用途が考えられます」(渡辺社長)
 価格は平米あたり5000円。

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