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入れ替えに注力するエレベータシステムズ 大手メーカーより1/2~1/3コスト安
1996.11.01 12:02
エレベータシステムズ(東京都豊島区)は、昭和46年に設立し、現在まで約2000台の納入実績がある、独立系のエレベータメーカー。ライン生産する大手メーカーとは異なり、同社は、全て受注生産。にもかかわらず、機能性、安全性を重視した、シンプルなデザインの為、乗用・荷物用共に、意匠性の高い大手メーカーのものに比べて安価。しかし、バブル崩壊後、新築物件の為、エレベータメーカーは、数少ない物件を取り合う状況となった。その結果、大手メーカーもエレベータの販売価格を押さえている。そこで同社は、新しい分野として、今年の4月から築年数が20~30年を経過したビルを対象としエレベータの入れ替え事業に注力している。
エレベータの規格は、設置後20~30年を経過すると変わる。
「入れ替えのエレベータは、ミリ単位が重要な受注生産となる為、ラインで製造する大手メーカーはかなりコストが高くなります」と営業部営業二課木村静雄課長は話す。また、「大手メーカーと当社の入れ替え工事の合い見積もりを取ったオーナーによれば、大手は当社より2~3倍高かったそうです」(木村課長)
今年の7月から本格的に定業展開している同社では、現在まで他メーカーからの入れ替えは12台。「エレベータには非常連絡インターホンがあり、この線は機械室とつながっているのですが、どこを配線しているのか、メーカーによって様々。この線を見つけるのに苦労しました」(木村氏)
コストの安い独立系エレベータメーカーの今後の動きが注目される。