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長谷工コミュニティ 低コスト短期工事のリニューアルを実現 今年度のリフォームコンクール 建設大臣賞の他各賞を受賞

1996.10.15 16:32

 長谷工コミュニティ(東京都港区)では、「第13回住まいのリフォームコンクール」で建設大臣賞を受賞。同社の技術力、設計力の高さが証明されるかたちとなった。
 このコンクールは、(財)日本住宅リフォームセンターが主催、建設省等が後援し毎年行われているもの。今年は536件の応募があった。同社が建設大臣賞を受賞するのは初めて。
 同社が受賞した物件は、東京都荒川区、築16年のマンション(SRC構造延床61.6平米)。「子供達の成長により家族の生活時間にずれが生じたため、住みやすい間取り変更がしたい。老朽化した設備機器を取り換えたい」とのクライアントの要望に答えるリフォームを施したもの。
 同社では、平均よりやや狭い61平米の空間の中で、独立した個室3室を縦一列に設置、通風を考慮した上で、隣室との壁を引き戸とする設計を採用した。
 また、3室のうち2室は和室とし、畳とフローリングのコンビネーションによって、使い勝手を向上させた。更に和室の1つは床のレベルを上げて、床下空間を収納スペースとして活用できるよう工夫するなど、限られたスペースの有効活用に注力している。
 加えて和室の2室は、LDの空間としても取り組むことも可能で、子供の独立分離など、将来の家族構成の変化にも対応できる様な造りとした。
 この「風の道がある住まい」と題したリフォーム事例は、設計期間60日、施工期間30日、総工事費784万円と、低コストを実現させたことも大きな評価の大きな対象となったようだ。
 「これはリフォームを計画する際、長期的な視点に立った計画を、いかに適正な価格で行うことができるか、という点に注力したものです。今後こうした需要は、ますます増えてくるのではないでしょうか」(同社広報担当 料治俊一郎氏)。
 長期的視野に入れた低コストリフォームは、老朽化ビルで空室に悩むオーナーにとっては重要な課題。同社では今後、こうした技術、設計力をオフィスビルへも積極的に展開していく方針で同社の今後が注目される。




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