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快刀乱麻

1996.07.01 15:17

▼様々なウヤムヤを残し住専国会が終わった。このひとまずの決着に疑問を感じる点は多々あるが、最も奇異に映るのは国政を預かる政治家の責任の所在が全く明らかにされていない点だ▼もちろん今回の破綻劇では当事者達の関に負う部分は大きい。問題ある融資先として名前の挙がった会社にビル会社が多かったことで、貸ビル業の敗北と曲解する向きもあるが、事の本質は土地バブルや放漫経営のツケが弾けたものだ▼例えば末野興産。同社の現在の資産価値は2千億円程度というが、常識で考えて仮に融資の金を全てビルに投資していれば値下がりしたとはいえ、今の倍くらいの値打ちは残っていただろう。かなりの部分が土地や役員給与、遊興費に消えたはずだ▼こうした実態を承知していながら積極的に金を貸した銀行も当然罪は大きい。しかし誰の目にも明らかなこの構図に対する追求が手ぬるいのは、政治家が彼らから粗糖の利益供与を受けていたと理解されても仕方ないだろう。そうでなければ住専に関する刑事・民事責任は時効なし、とするくらいの措置をとってもらいたい。




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