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噂のスクランブル 土地・株投機失敗で負債30~40億円 メーカー系が分担して管理引き継ぎ?某独立系EV保守会社に経営危機の噂
1996.06.15 10:01
低料金を武器に破竹の勢いで管理台数を伸ばしている独立系エレベーター保守会社だが、この業界、決して景気の良い話ばかりではない。独立系の中では大手の某社が、近々経営破綻に陥るという噂が流れている。
直接の原因は土地や株投機に手を出し、これが失敗したためとされる。すぐ前に国有林があり、絶対に上物が建たない土地を知らずに購入するなど、かなりズサンな投機だったようだ。推定負債額は30~40億円。すでにメインバンクのF銀行は手を引き、別の銀行の管理下に置かれている状態だという。
これが真実だとすれば金利支払いだけで月3000万円。とても会社としての体をなしていくのは不可能で、社員の大量流出も考えられる。こうなると最も迷惑を被るのはエレベータを預けているビルオーナー。このためメーカー系の大手各社が分担して管理を引き継ぐ協議が行われているという話もある。
こうした会社は論外だが、独立系の中には「安かろう、悪かろう」という業者も少なく無い。こうした業者は古メンテナンス契約で受けている場合、部品の交換を意図的に遅らせたりする。たとえそれが1パーツ数万円でも自社の負担となってくるからだ。
こうした放っておかれたエレベータは必然的に、例えば数センチもの段差が出るといった目に見える異常をきたす。このタイミングですかさず業者側は「ああ、これは制御盤を取替えなければダメですね。300万円ほどかかりますが」などといって、秋葉原あたりで集めた部品を適当に組み合わせた制御盤と称するものを取付ける。
何といっても制御盤と替えるということは、以降永続的にその業者が管理を独占できるということだ。
もちろん独立系の中には低コスト、確実でオーナーの味方というべき会社多い。要は業者を選別する眼力だ。