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住友化学工業 割安な深夜電気利用する床暖房システム展開
1996.05.01 11:28
住友化学工業では次世代の暖房システムとして、深夜電気蓄熱式24時間暖房「スミターマルシステム」を推進している。
これは床からの遠赤外線輻射により室内全体を均一に暖房するシステム。従来の温風暖房により暖気を対流させて室内を暖める方式では、暖気が天井近くに集中し、足元が寒く、必要以上に室温を上げなければならないのが実情。同社のような輻射方式であれば、床面から放射される赤外線が隅々に行き渡るため、部屋のどの部分でも均一の暖かさとなる。
もう一つの特徴は、割安な深夜電気を利用した蓄熱式という点。床暖房システムではこの他、ガス、灯油を使う温水方式や、一般電力を利用する非蓄熱式があるが、温水式は保守や修繕が必要、一般電力利用方式はランニングコストが多額というマイナス点を抱える。同社のシステムは深夜電力を利用し、蓄熱材「スミターマル」に夜間のうちに暖房しながら熱を蓄え、早朝からはその蓄えた熱を放出し日中の暖房をするという仕組み。このためランニングコストは一般電力の30~40%、業務用の蓄熱調整契約をすれば、さらに割安になるという。
今後の普及が注目される。