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噂のスクランブル 消費税増税前の今こそビル売却のチャンス リミットは来年の3月までの引き渡し

1996.04.15 11:51

 現行3%の消費税が来年4月から5%に引き上げられる。消費税の税率に関する国の最終決定の時期は今年9月末と定められているが、政府、連立与党は5%で調整に入ったとされ、この線はほぼ確実なようだ。
 この場合、例えば3億円のビルに対する消費税は900万円から1500万円に変わる。来年3月31日までに建物が完成し引き渡しとなれば消費税は900万円で済むが、引き渡しが4月1日以降になると1500万円。600万円もの差が生じることになる。
 抜け道はないのか。税理士の山浦邦夫氏は「請負契約締結が今年9月末までならば、建物の完成引き渡しが来年4月以降でも3%で良い」という経過規定を指摘する。
 こうしたことから、今後、分譲マンションなどを中心に「9月までに契約すれば、あるいは3月までに購入すれば、消費税が安く済みます、という大キャンペーン・大騒動が始まるのでは」と山浦氏は予測する。
 これはビルを売りたいと考えているオーナーにもチャンスといえるだろう。固定資産税、地価税等このところビルオーナーは税制改正にことごとく泣かされ続けてきただけに、たまにはビル業界に「税のフォロー」が吹いても良いだろう。




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