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森ビルのMII構想 アークからスタート 情報通信整備でAT&Tが参加 いインターネット網本格始動

1996.04.01 12:07

 森ビルグル-プのテナント向けインターネット網が、4月1日より本格的に始動した。今回の移動通信網構築には同グループが進めている六本木再開発計画にも参加している情報通信サービスのAT&Tが大きな役割を果たした。
 情報通信サービスの日本AT&T(東京都港区)は、4月1日より、森ビル本社が入るアーク森ビルに対するインターネットサービスを始めた。昨年12月に発表された、森ビルグループが所有する60棟をインターネットで結ぶMII(森ビル・インフォメーション・インフラストラクチャー)構想を受けたもの。森ビル本社のあるアーク森ビルと、AT&Tの入る第25森ビル間を専用線で結び、ビル間を結ぶネットワークのゲートを作った形だ。
 森ビルのMII構想は、グループ保有の89棟のビルのうち、60棟についてビル間およびビル内をインターネットでオンライン化するもので、世界にも類を見ない規模の試み。今後、AT&Tは、60棟のビルに入居するテナント企業に対するインターネット端末接続やホームページ開設支援も行っていく。
 昨年12月の森ビルの発表によれば、一つのビル内の幹線に100Mbs(Mbsは1秒間に送れる情報量)、ビルとビルの間やインターネットの接続には1.5メガMbsと、国内にある商用サービス網としては、最高速、最大容量となる。また森ビルに入居する各テナントは、端末を継ぐだけでこのサービスを利用する事ができるとしている。料金も1か月10万円からとNTTに比べ10分の1から20分の1で済むとしている。従来は、テナントがNTTと個別に契約をしていた。
 森ビルグループは既に、今年1月からラフォーレ原宿をキーステーションとして「デジタル原宿」を始動させており、現在テレビ朝日などと進めている六本木6丁目地区の再開発計画の中でも、今回のようなインターネット構想が含まれている。




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