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■新商品 日本オーチス 世界最高速エレベータ製造に着手 日本法人主導で、最大分速900メートルにアップ 開発費用100億円、日米欧の共同プロジェクト

1996.02.15 15:35

 世界最大の昇降機メーカー、米国オーチス・エレベータの日本法人、日本オーチスエレベータ(本社東京都新宿区・小本允社長)は最大分速900メートルの世界最高速エレベータ開発に着手することになった。
 今回の開発計画は、「タイタン・プロジェクト」と呼ばれるもので、日本オーチスエレベータが開発の中心となり、日米欧の3拠点を結ぶ、共同プロジェクト。開発にあたっては、日本、米国、欧州の研究者約100名で構成され総額100億円の巨費が投じられるもの。また今回は分速900メートルの最高速エレベータと共に、一度に約70人の人を乗せる事が出来る、ダブルデッキタイプ(2階型エレベータ)も最高分速を600メートルまで引き上げる研究も進められる予定。
 「出荷には、平成10年を目途に考えています。また実際の開発方法は、日米欧の各研究施設を、オンラインの三次元CADシステムで結ぶ、24時間体制で進めていく予定です。特に日本オーチスでは、得意分野である巻上げ機、制御機器などの精密部品や、機械の基幹にあたる部分の開発を手掛けます」(深尾部長)
 今プロジェクトでは、日本オーチスが開発の主導権を握る。こうした背景にはエレベータの基幹技術を、日本法人が持っていることさらに開発が進む、アジア市場に売り込む拠点として、日本法人が一番フットワークを生かせる立地にある事などが挙げられる。
 アジア、特に中国上海の浦東地区では、世界一高い地上95階建てのビル建築が進むなど、大型ビルが相次ぎ着工する。こうした巨大マーケットの需要に対応出来る商品開発が、世界シェア向上につなげると同社では見ている。




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