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ヤシマ工業 構造・耐震診断室を社内に設置 年明けには米国の専門家招きセミナー予定
1995.12.15 14:28
ヤシマ工業・一級建築士事務所(東京都杉並区・小里洋行社長)ではこのほど、社内に「建築物の構造および耐震診断室」を発足した。
今年1月の阪神大震災以降、建築物の耐震性に関する社会的関心が高まり、先の臨時国会では「耐震改修の促進に関する法律」が成立、来年始めにも施行されるといった動きを受けたもの。
同社では89年の米国サンフランシスコ・ロマプリータ地震以降、ロサンゼルス・ノースリッジ大地震、そして今回の阪神といずれも震災直後に視察団を派遣するなど、かねてより耐震診断および補強の研究に力を入れており、つい先頃も、地震から6年目が経過したロマプリータのその後の状況などを松岡忠孝専務らが視察に訪れたばかり。「これまで蓄積してきた耐震ノウハウと当社本来の建物再生技術(レトロフィット)の融合が求められる時が来た」と小里社長。
来年には2月頃を目途に、米国から耐震、免震の第一人者であるジョセフ・P・コルコ博士を招き、セミナーを開催する予定。なお同社では過去に行ったノースリッジ地震の報告会で約150名を動員した実績がある。
「ここに来て大小を問わず様々なビルから診断の依頼が増えており、一般ビルのオーナーの関心がいよいよ本格的な段階に入ってきたのを感じる」(小里社長)。