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噂のスクランブル 住友不、一棟戦略に立ちこめる暗雲 ソフトバンク誘致が中野坂上浮上で微妙に

1995.11.15 17:21

 東京・箱崎の東京シティエアターミナルの隣では現在、来春完成を目指して開発が進められている。ここに建つテナントビルは住友不動産が貸主として賃貸にあたる。
 当初、住友側の構想では、テナントとしてパソコン卸売や出版で急成長しているソフトバンク(孫正義社長)への一棟貸しを見込んでいたとされる。
 ソフトバンクは現在、同じ住友不動産の日本橋浜町ビルで、2000坪強を使用しており、これを3000坪にしたいとのオーダーに対し、大手各社が誘いをかけたものの、自社の既存テナントという有利さを背景に、住友側はかなり楽観していたとされる。ところが一転、ここに来て中野坂上開発ビルが強力なライバルとして浮上してきた。
 中野坂上はかねてよりソフト関連企業の集積が噂されており、最新の情報では移転候補は完全にどちらかに絞られたとのこと。
 箱崎ビルは他にも1棟オーダーはあるようだが、いずれも他ビルとのかけもち組み。
 ソフトバンクの希望値は共益費込みで坪2万5000円とされる。1棟でなくバラの賃貸となると、来春までの残り時間を考えると苦しいだけに、去就が注目される。




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