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噂のスクランブル 有名ビル会社引抜きに怒る 某大手ゼネコンが出入り禁止に
1995.10.15 11:27
日本を代表する最大手クラスのゼネコンA社が、これまた都内に数十棟のビルを保有する有名ビル会社B社の機嫌を損ねてしまい、目下、”出入り禁止”にあっているという。
ゼネコンA社のテナント営業部が、自社で施工した東京・東品川のある大型新築ビルを埋めるため、B社のビルからテナントをごっそりと引き抜いたことが、その直接の原因とされている。
問題の新築ビルがある一帯は財閥系総合商社C社が中心となって開発、運営を進めている地域。それだけにA社はいわばC社の代理人にような格好で窓口に立たされたとの見方もあり、その点では同情の声もでている。
もっともバブル崩壊以降、ゼネコンはどこへ行ってもすっかりと悪者扱いだ。貸ビル市場では、好況時にゼネコンの甘言に乗せられて(もちろん大半は銀行も絡んでいるが)ビルを建てたがテナントは入らず、借金ばかり残ったと怒っているオーナーは多い。挙げ句、ゼネコン側の担当者が地方に飛ばされたというケースも耳にする。一連の汚職事件は言うに及ばぬが、全体にゼネコンの自業自得的行為が引き起こした感が強いだけに、仕方のないところか。
現在、ゼネコン各社は過去に施工したビルのリピートを見込んでリニューアル部門の開拓に力を入れているが、その際には是非とも真にオーナーの立場に立った企画、提案をお願いしたいところ、でなければ、不信感を強めているリピーターが一斉にソッポを向くこともあり得るだろう。