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無公害、低騒音で外壁塗膜の完全はく離実現 ウォーターブリット工法 佐藤工業など4社が開発

1995.10.15 11:24

 佐藤工業は、広島工業大学などと共同で、建物外壁塗膜はく離の新工法「ウォーターブリット工法」を開発。このほど東京・赤坂にある厚生省の宿泊施設の改修工事現場において、デモンストレーションを行った。
 ウォーターブリットのブリットとは「弾丸」の意味で、1c㎡あたり200~500キロという圧力水をイレーザーガンと呼ばれる噴射装置から弾丸のように噴射し、下地を傷めることなく旧塗膜の完全除去が行えるというもの。
 従来より外壁塗膜のはく離には、手動ケレン、サンダーケレン、バーナーはく離など様々な工法があるが、これらはいずれも適用範囲にバラつきがあり、また工法によっては騒音や粉じんが激しくでるという難点を抱えている。ウォーターブリット工法は、あらゆる対象に万遍なく効果を持つうえ、噴射時に発生するノイズを極力セーブすることで低騒音を実現している。
 また純粋に水と空気以外、特殊な溶剤を一切使用していないため、無公害で、粉じんが発生する心配もない。工期の短縮も可能でコスト面でも薬品を使った工法に比べて15%削減できるという。
 佐藤工業、広島工大とともにこの工法の開発に携わったのは、ワラテック(広島県福山市)とジェテック(広島県大竹市)。
 4社では今後、来春を目途に、はく離後の白濁混合を回収し、水だけを再利用するシステムなどを開発していく。改修工事の品質向上という点で注目される。




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