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噂のスクランブル 中途解約に3ヶ月の違約金設定 引き抜き対策でガラッと変わった大手の契約書

1995.10.01 15:59

 フリーレントだ、段階賃料だ、と依然として契約形態の混乱が続いている貸ビル市場だが、ここに来てある財閥系大手不動産会社がテナントの解約各項について思い切った見直しを行ったとの噂が流れている。
 現在のダンピング、引き抜き合戦の元凶は、6ヶ月前に予告をすれば、たとえ契約期間中であってもテナントから簡単に契約解除ができるという中途解約条項にあるという指摘は以前から根強い。
 今回某大手が見直したとされるのは、中途解約について、6ヶ月予告にプラスして賃料3ヶ月分の違約金を義務付けたというもの。今春の契約以降、順次採用しているとされる。
 この方式だと、いかなる場合もテナント側にペナルティーが発生し、仮に即時解約となれば賃料9ヶ月分もの支払いを求められることになる。引き抜く側もそう簡単には手出しが出来なくなる。
 この話が事実だとすれば、大英断だといってよいだろう。現在のような足の引っ張り合い的状況を打破するには、やはり業界で指導的立場にある大手のこうした思い切りが不可欠だ。大手他社の積極的な追随が望まれるところだ。




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