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運命の別れ道 早期の事業計画見直しが現在の実績へ 江戸川区では7棟着工4棟計画進行中 ランドビジネス 代表取締役社長 亀井正通氏

1995.09.15 16:36

 「今考えれば、世の中全体がまだバブル最盛期にあったころ、都心のいわゆる中央3区に進出しなかった事が、結果現在のいい状況へ結びついていると思います」と語るのはランドビジネス社長亀井正通氏。
 ランドビジネスは、不動産事業の企画・立案等を行うコンサルティング会社として、昭和60年2月に設立された。この時期はまさにバブルの助走にあたる頃。
 設立後、一年は苦しい状況が続いたがそこうするうち、バブルの申し子と言える不動産事業には、これまで全く関わりの無い素人の人たちの参入などが盛んになり、ランドビジネスの収益も確実に増えていったと言う。
 「1時期には、年間売り上げで16億円を越えることもありました」(亀井社長)
 ただ、順調に業績を伸ばしていった同社だが、千代田、中央、港区など、土地の価格変動の大きい地域にはあえて進出しなかったと言う。つまり、資本力の弱い同社の場合、進出しても、中心部への参入はデメリットになると判断したからだ。そこで、ランドビジネスでは平成3年の生産緑地法によって土地の有効活用のニーズが急速に拡大した地域に、ターゲットを絞り、事業計画の方向転換を図った。つまり、事業用ビルから住居用マンションなどを中心業務に切り変えていった訳だ。
 「平成2~3年の頃はまだバブルの余韻がある頃で、同業者からはなぜそんなお金にならない仕事をするのかと笑われたものです」(亀井氏)
 しかし、この早い時期の選択こそが、今のランドビジネスの実績につながっている。現在のランドビジネスの年商(94年度)は約2億円だが、経常利益は2500万円と高水準だ。地域は江戸川・世田谷など、農地からの転用物件が大半を占めている。
 中でも江戸川区では、同社のビル作りが評価され、口こみで急速に伸びている。現在、7棟着工、4棟が計画進行中だ。




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