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建築工事現場の看板情報を会員制で提供 東京23区だけで月に400件を網羅 ゼネコン、警備、管理会社等が営業開発やマーケット賃料に
1995.08.01 14:29
建築工事現場に「建築計画のお知らせ」として設置されている看板の情報を、定期的に会員企業に小冊子やFAXで送付するという新商売が評判を呼んでいる。これは東京都豊島区のオフィスキャスター(北村勝利社長)が「速報!ビル着工ニュース」と銘打って行っているもの。
3階建て以上の建築物は条例に基づき、計画地の近隣に対し計画公開を行う義務があり、このため現地にお知らせ看板を掲げる。
同社では主婦など数十人のパート、アルバイトによるローラー作戦などでその記載情報を集めており、通常、事前公開から着工まで早くて2~3ヶ月、遅くて6~12ヶ月ほどかかるため、同社の提供する情報はすべて着工前の段階のものとなる。データ対象エリアは都内23区、東京多摩地区、および横浜、川崎、千葉の各市。23区版は週刊で他は月間での発行。現在の1号あたりの平均掲載データ数は23区版で100件、以下、多摩100件、横浜50件、千葉、川崎が30~40件。掲載データは、1号ごとに全て入れ変わる。
契約は月会費方式で23区版が約2万円、多摩地区版が1万8000円など。東京地区および各エリアについてオフィスや商業施設といった用途別で編集したタイプもある。
このサービスを始めた発端は、北村社長が以前にあるデベロッパーに勤務していた時代、現地の看板を見ての問い合わせが多かったことにヒントを得てのもの。現在の会員は約120社。ゼネコンを筆頭に、現場での受注を担う警備会社や建材会社、不動産管理会社など「営業開発や競合他社の動きを探るマーケット資料として」(同社・加瀬沢剛取締役)の利用が中心だが、変わったところでは竣工パーティー業者などもいるという。
「これからはいわゆる反響営業だけでは十分とはいえない。成功の秘訣は未来予測とマーケティングにある」と北村社長は語る。