週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
噂のスクランブル 今度はオウム教VS国税当局!? どうなるオウムの城が差押えに 推定2億円超の保証金の行方は
1995.08.01 14:25
すっかり有名になってしまった東京・南青山のオウム真理教・東京総本部ビルが、大阪国税局などから差し押さえを受けているという。オウム教団はこのビルにテナントとして入居しており、オーナーは大阪のある不動産会社。この会社が税金を滞納しているために、こうした事態になったと見られるが、注目されるのは今後の総本部ビルの行方。
既に知られる通り、同ビルには周辺の住人から教団の立ち退きを求める声が上がっているが、これまでオーナー側は特に強く退居を求めてこなかったとされる。
どうもこの背景には、多分に漏れず保証金返還の問題が絡んでいっるようだ。教団は平成4年にこのビルに入居しているが、この時差し入れた保証金は2億円以上にものぼると見られる。税金を滞納するほど資金繰りに窮しているオーナーとしては補償金支払を迫られるくらいなら、どうぞ居て下さいという訳だ。
しかし差し押さえがかかったとなれば話は変わってくる。この状態が続けばやがて競売にかけられる。その際、教団は入居し続けることができるのか。
一般論からいえば、教団は差し押さえ前に入居しているので、賃借権は保護されるはず。しかしこれだけ問題となった教団がテナントとして入ったままのビルを誰が引き受けるのか。果して多額の保証金は引き継がれるのか。中には「強制退居を迫られるのでは」との見方もある。警察当局との戦いに明け暮れてきたオウム真理教だが、その場合、今度は国税当局が相手となる。