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噂のスクランブル ランドマーク、WBGともに思惑外れ大苦戦 三井、三菱が深入りした横浜、幕張の光と影

1995.07.01 16:47

 景気低迷の影響でMM21、幕張という東京近郊の2大プロジェクトにも影響が出ている。
 2000年の完成予定が10年先へ延期されたMM21 に現在建つのは三菱地所のランドマークタワー、三菱重工ビル、横浜銀行本店ビル等。MM21 は元々三菱重工工場跡地再開発だけに三菱グループの力の入れようが目立つ。
 そのランドマークタワーも年間3000万人以上が訪れる観光人気は上々だが、オフィス稼働は60%とさえない。同ビルの賃貸面積は約10万平米。その苦戦は横浜主要部のビル空室率を4%強も押し上げているというデータもある。テナントの中身も東京海上など東京本社企業の横浜支社が多い。本社誘致を目指した同ビルだが、結果的には支社・支店が全事業所の半分を占める横浜の支店経済性が色濃くでた格好。結局、自ら本社機能を移してきた三菱重工に引っ張られる形で取引先企業がMM21の周辺へ移ってきたのがせめてもの救いか。
 一方、面積ではMM21の3倍規模の幕張。こちらは三井不動産がWBGを建て、文字通り外資系の誘致を目指し、海外からの進出企業に対する税務・法律セミナーあんどのサービスを用意した。しかし入居は日本企業ばかり。稼働率も約7割と苦戦中で、都内の業者には、「共益費込みで坪1万円でもテナントが欲しい」といった声も届いているという。




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