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東京都 耐震診断の講習会開催 大手ゼネコン各社など500人が参加

1995.07.01 16:46

 (財)日本建築防災協会、(財)東京建築防災センター、(社)東京都建築士事務所協会の3法人主催による耐震診断システムの講習会が、6月20日・21日の2日間、銀座ヤマハホールにて開催された。
 東京都における民間建築物の耐震診断システムを普及・施行する為に開かれた今回の講習会には、定員枠いっぱいの520人弱と大手ゼネコン各社から中小の建築事務所の一級建築士等を集め行われた。講師には、東京大学工学部建築学科教授・坂本功氏、千葉大学工学部建築学科教授・森田耕次氏、大林組技術研究所主任研究員・関松太郎氏など7名の講師を招いて、RC・SRC建築物の耐震補強などのテーマに沿った解説がされた。
 こうした講習会が開かれた背景には、先の阪神大震災により、耐震診断の需要が急増した為。これまで建物の耐震診断に対する相談など、窓口である東京都に持ち込まれるケースは年間に数件程度。それが今回の震災以後、「これまでは考えられたなかった木造一戸建て住宅の耐震診断などのケース等、ごく最近まで千を越える相談が寄せられている」(東京都都市計画局課長補佐・斉藤彰氏)
 耐震診断に関しては、東京都が5年間の期間をかけ、平成元年にはマニュアル本を完成させ、平成2年には2回の講習会を開いている。
 しかし前回の講習会には、2回の受講者数で200人弱と今回の半分以下、また受講者層も一般建築士などは少なく、各研究機関の研究員が主であり、今回とは色合いが全く違った。
 今回の耐震診断講習会は、前回同様のマニュアル本を使用し、テキスト作成に携わった編集者を講師に招いての講習会になった。しかし、今回の場合前回と違い、受講修了後には終了認定証を交付、今後東京都などが行う公共建築物の耐震診断や、民間物件の診断も受注出来るような体制を整える予定。また今月にも、同様の講習会が大手町の農協ホールにおいて予定されている。




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