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噂のスクランブル 戦うビル経営 空室対策は羽生六冠王に学べ
1995.04.01 10:36
24日夜半、「第44期王将戦七番勝負」の最終局で谷川浩司王将が羽生善治六冠王に勝利を納め、タイトル防衛に成功した。
この王将戦は将棋七大タイトル中六冠を手にした羽生が全冠制覇を狙った最後の戦としても注目を集めた。勝負はもつれにもつれた。両者3勝3敗からの第7戦は千日手後指直しの一局で結末を迎えた。谷川は終始逆境の中で戦い続けた。七番勝負はスタートの時点から多くの取材陣が詰めかけたが、いずれも七冠王を目指す羽生を追ってのもの。第1局が終わったところで阪神大震災。神戸に住む谷川は自宅マンションで被害を受けた。実家は倒壊したという。これまで対羽生戦で通算19勝35敗、その内タイトル戦で1勝7敗と大きく負け越していた。熱戦を制した谷川に拍手を送ろう。
羽生はタイトル用に建てた貸しビルへ次々にテナント誘致に成功してきた。競合ビルがないかのように。最後の1フロアの誘致には失敗したようだ。しかし、7フロア中6フロアが稼働中。立派なものである。しかもキーテナントに計画更改間近の名人位が入居中だ。
このタイトルビルの経営は気が抜けない。契約更改が毎年来るのだ。棋聖戦の場合は6ヵ月に一度。常に強力な競合ビルが名乗りを挙げる。テナントのタイトルはいつでも強い者に心を移す”浮気女”。タイトルビルの経営には常に戦い取る気概が必要だ。
世のオーナー方は羽生式ビル経営を見習って欲しい。ビル経営は”待ち”の地代ではなく羽生のようにテナントを戦い取る時代のようだから。