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トピックス 神戸郵船ビル 大震災耐えた大正期のビル 耐震診断・補強の有効性を実証
1995.04.01 10:36
適切な耐震診断と耐震補強のビルへの有効性が今回の阪神大震災で実例を持った証明された。
このビルは神戸市中央区1丁目に立つ神戸郵船ビル。地上4階建てで、延床面積は約1200坪。
同ビルは曾根・中条建築設計事務所による大正7年の設計。戦災を受けた後改修されたとはいえ、新耐震設計法が適用された昭和56年をはるかにさかのぼっての設計、施工。しかも、同ビルの建つ地区は元も被災の厳しかったものの一つ。耐震補強の結果、今回の地震に耐え安全だったことは注目に値しよう。
日本郵船は同ビルを神戸市より歴史的建築物として保存するよう要請を受け、オフィスビルとして再生を決定した。
改修の設計・管理にあたったのは日本設計(東京都新宿区・池田武邦社長)。耐震診断の結果、外壁を残して躯体を耐震補強し、内部は設備を含めて全面改修した。改修竣工は平成6年3月。
耐震補強として、鉄骨の補強柱と補強梁を追加し、基礎を補強し、さらに既存レンガ壁に鉄筋コンクリートの補強壁を追加している。