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石橋科学工業 自動空気環境測定器の販売好調 二人掛りの業務を一人で可能に
1995.03.15 11:19
石橋科学工業(東京都千代田区・石橋京一社長)が開発、販売するBILCOM-3300が注目を浴びている。
平成4年に開発された同製品はコンピュータによる空気環境測定モニター。ビル管理法に定められている浮遊粉塵、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度、気流の6項目を1分間で測定する。またオプションで騒音と照度の計測にも対応可能になっている。
BILCOM-3300の特徴は操作の容易性。軽量、小型で女性一人でも持ち運びできること。「従来は二人掛りで、いくつもの測定機器を台車などで運びながらビル内を測定したものでした。これを開発した結果、女性でも簡単に測定できます。各ポイントにその機械を置いて、あとはスイッチを押すだけです」(同社市橋健代表取締役)。
センサーが自動的に各測定値を計測。測定終了後には、持ち帰って会社のパソコンに連結して各データを移し、報告書をプリントアウトする一貫したシステムとなっている。
「二人掛りの仕事を一人でできること、また報告書の作成がパソコンで自動処理できることなどから2倍以上の生産性が挙がると思います」(同取締役)。
同社では同機を販売すると同時に、測定業務を行っている。現在約50棟の契約ビルがある。こうした業務は専門の業者が行っているケースが多い。販売先もそうした業者が中心となっているようだ。また、オーナー側からの受注もあり、大阪のKデパートなどがそうした例。
同製品は販売価格400万円で現在までに約140台を販売している。
製品の概要は以下の通り。記憶容量は100測定点。記憶媒体は内蔵メモリー及びメモリーカード(オプション)。外部出力はRS232C及びプリンター。電源はAC100V及び内蔵バッテリー又は外部バッテリー(オプション)。使用温度範囲は0から40℃。寸法は330(W)×180(D)×380ミリメートル。重量は約12キログラム。
同社は環境測定機器の総合メーカー。出すと自動高速吸引装置・ダストユニコンなど数々の環境測定機器を製造販売している。BILCOM-3300の場合は当初、同様な他社製品を販売していたが、供給が止まったことから、同社が独自に開発し、完成させたもの。