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イー・エム・ピー オーナー支援サービス開始 対テナント、金融機関交渉資料作成

1995.01.15 10:54

 オフィス仲介、ビル経営管理のイー・エム・ピー(東京都千代田区、中村嘉宏社長)では、借手市場の中でテナント交渉や賃料設定等で頭を悩ますオーナーに向けた「ビル経営シュミレーションサービス」を開始した。
 「最も利益が上がる適正募集賃料が知りたい」、「賃料改定などテナント交渉の下資料が欲しい」、「大規模修繕やリニューアルを考えているがどのような準備をすればよいか」、「金融機関との交渉資料が欲しい」といったニーズに対し、コンピューターを使って、資金繰りを中心としたシュミレーションを行う。
 基本料金は3万円。
 同社の中村社長は、「元々は知人の税理士の顧客であるオーナーが物件を建設するにあたって、建設会社側が出した事業収支表に疑問を持ち、相談を持ちかけられたのがきっかけです。確かに現在のようなビル不況下では、賃料や空室率の設定をはじめ、様々な点で素人の手には負えなくなってきているといえます」と語る。
 具体的に同社のシュミレーションサービスを見てみると、例えば賃料設定については、まず同社が当該物件の周囲の市況を丹念に調べあげた上で、数通りの設定賃料とそれに伴う空室率を将来にわたり設定。ローン返済などオーナー側の状況を組み込んだ上で、数パターンの収支シュミレーションを出し徹底比較する。
 テナント交渉においても、「重要なことは幾らまでなら値下げしても帳尻が合うかの限界をオーナー地震が認識すること」(中村社長)という観点に立ち、値下げ額に応じた段階的な事業収支の組み直しを行う。
 またローン返済期間の延長や金利減免など対金融機関との交渉においても、将来にわたる収支状況や返済計画を正確に計算し明示することが「強力な武器になる」(中村社長)という。
 同社は平成4年に設立され、仲介、コンサルティングに加え、収支予算管理、リスクマネジメント管理などビルマネジメント業務に定評がある。




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