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築170年の古民家活用した商業施設「新綱島MICCA」開業
2026.11.02 11:30
東急(東京都渋谷区)、住友林業(東京都千代田区)、再生建築研究所(東京都渋谷区)が横浜市港北区で手掛けた商業施設「新綱島MICCA(みっか)」が、10月28日に開業した。築170年の古民家を再生しつつ、地上2階建て2棟の木造商業施設を一体整備し、歴史的価値の継承と事業の継続性を両立する計画が進められた。
施設は東急新横浜線「新綱島」駅徒歩1分、東急東横線「綱島」駅徒歩約5分に立地。築170年の古民家を中心に、2棟の木造商業施設で構成される。駅前の高層建築物と古民家、周辺既存住宅の間に低層木造商業施設を新築。これにより、まちのスケールを段階的につなぎ、開発の境界に断絶を生まない街並みを作っている。また、古民家の深い軒下や縁側がつくる、内と外の間の居場所を新築棟にも広げる計画とし、駅前から古民家、庭、広場、木造商業施設へと自然に巡る「8の字」の回遊動線を確保した。
安政4年(1857年)に建てられた約400㎡の古民家「池谷家住宅主屋」を「OMOYA」に改修。美しい庭園の風景を楽しめるベーカリー・ビストロに生まれ変わった。工事では残すもの、付加するものを整理し、縦横45cmの大黒柱など既存の柱・梁などの木造架構は可能な限り保存し、建物を約1m持ち上げる揚屋工事を行なった上で、基礎を新たに敷設した。また、外観・内観ともに歴史的な真壁の意匠を残すため、耐震補強を実施。壁内には断熱材も施工。屋根は補強を行うとともに、銅瓦葺き形状の屋根を銅板平葺きへと葺き替え、建物の安全性と耐久性の向上を図っている。
なお、古民家は横浜市の特定景観形成歴史的建造物の指定を民間で初めて受け、改修における建築基準法の適用除外を受けている。その結果、歴史的建造物の価値を保ちながら、排煙設備や内装制限、構造規定の一部に代替措置を講じるなど、飲食店としての利活用を可能にした。
新築した「HANARE南」、「HANARE北」はいずれも木造軸組工法による木造2階建て。飲食店やサービス店舗など21テナントが出店した。建物は、古民家とスケール感をあわせた2階建ての低層とし、古民家と調和した深い軒下空間や連続する木の柱など伝統的建築要素を設計に取り入れた。1階は店舗の前に商品やベンチ等を配置することのできるスペースを設け、建物内外を融合させる縁側のような空間を演出。内外装に木材を多く使用し、外部構造柱を露出させることで自然の温かみと木の風合いを感じられ、古民家と調和した親しみやすい街並みを形成した。また、駅からの人の流れを受け止める開かれた配置計画とすることで、古民家や庭、周辺広場との回遊性を高め、交流を生み出す空間を実現した。
農業のまち、温泉街、住宅都市と変化してきた綱島で、170年の歴史を継承したまちづくりが動き始めた。



