週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

CBREが冷凍冷蔵倉庫市場レポートを公開

2026.09.21 17:33

コールドストレージ市場は域内配送ニーズがけん引 低温配送ユーザー向けの開発推進が市場拡大の鍵
 シービーアールイー(東京都千代田区、CBRE)は、賃借事例が増加するコールドストレージ(冷凍冷蔵倉庫)市場の足元を分析し、今後を占うレポートをまとめた。賃貸型コールドストレージ市場は、単なる保管ではなく域内配送のニーズがその成長をけん引しているため、配送業務の効率化を重視するテナントのニーズを捉えた施設開発が求められるとしている。
 賃貸型コールドストレージは、保管を主な目的とする利用はほとんどなく、販売商品の域内配送を担う業態のユーザーが中心。こうした業態ではトラックの出入りが頻繁であることから、ユーザーは搬出入作業の効率を重視して賃借物件を選択しており、開発者がメインのユーザーを明確にすることによって、市場は拡大すると見られている。
 開発面積は、2025年までの累計が9・3万坪だったのに対して、2027年と2028年は単年で15万坪弱と供給ペースは加速する見込み。また、開発形態の多様化も進んでいる。比較的小規模な用地で一棟の冷凍冷蔵倉庫開発が主流であるものの、近年は大型の物流施設の一部フロアや区画を冷凍冷蔵仕様とする複合型の開発事例も散見されるようになった。
 2028年までのすべての開発案件を地域別にみると、首都圏と近畿圏が全体の88%を占める。2025年までの実績は近畿圏での開発が先行したが、2026~2028年は首都圏の棟数が全体の54%を占め、市場の拡大をけん引する見込み。
 コールドストレージの開発が拡大している背景の1つは、デベロッパーによる建築費高騰への対応がある。物流施設の開発収支が圧迫されるなか、コールドストレージは高い賃料が期待できるアセットとして注目されている。また、不動産の開発コストがかさむ現状において、小規模な開発の方が取り組みやすいと考えるデベロッパーが新規参入する例もある。加えて、冷凍食品の需要拡大といった社会背景もあり、コールドストレージ市場の成長期待を後押ししている。
 需要動向をみると、首都圏と近畿圏における2024年竣工物件は、全ての物件で竣工前後にテナントが決定。2025年に竣工した物件についても全体の80%、2026年上半期は同57%の面積でテナントが決定済みで、着実に賃借事例は増えている。契約テナントは物流業が73%で、契約する荷主企業の多くは市中への低温配送を専門とする物流企業。日次の出荷・配送を伴う販売商品の流通を目的としている。
 CBREが実施したアンケート調査でも、すでに冷凍冷蔵倉庫の賃借利用が浸透していることから、デベロッパーが市中への低温配送というメインのユーザーを念頭においた計画を推進することによって、テナントのコールドストレージの賃借利用が一層浸透し、市場も拡大していくと予想している。




週刊不動産経営編集部  YouTube