不動産トピックス
【8/10号・今週の最終面特集】建物の維持管理 手間とコストを削減するのはこれだ!

2026.08.10 10:47
UFB水を活用した「T-Bubble」導入進む
トイレ1基の清掃時間を大幅短縮 従前から約63%減
不動産オーナーや管理会社の多くで、日々管理コストの削減方法や長寿命化につながる手法を模索していると思われる。さまざまな方法があるなかで、ウルトラファインバブルを採用する不動産会社が増加傾向にある。ウルトラファインバブルの活用法を知ることで、管理業務のプラスに働くと思われる。
トイレ清掃の負担を軽減 名古屋の本社ビルで試験
総合施設管理業務を展開している大成(名古屋市中区)は、2024年11月からウルトラファインバブル(以降UFB)水を活用したソリューション「T-Bubble(ティーバブル)」を開始。人手不足対策やトイレ清掃における負担軽減、環境負荷低減などにも寄与するサービスとして注目され、導入件数も伸びている。
UFBとは、直径1μm(ナノメートル)未満の気泡のこと。ウイルスとほぼ同等サイズで、マイナスを帯電。長期にわたって消えず、水中内にとどまる性質を持つ。内部気圧は約30気圧ほど。この気泡が破裂する衝撃・破壊力によって、水道管内の汚れを剥がし落とす。UFBは発生エンジンと加圧ポンプを使用して発生させる。発生エンジンを物件の受水槽や雑用水槽に設置。バイパス配管を増設し、UFB水を循環させることで水槽内の水がUFB水に交換。この変換されたUFB水によって汚れ等が付着することを防ぎ、清掃作業の軽減等につながる。
大成がUFBに着目したのは、UFB発生装置の代理店を担当していたことに起因する。清掃業も手掛ける同社は、日頃から清掃作業の負担軽減につながる手法や取り組みを模索していた。特にトイレ清掃に対して負担軽減を求める声が多く、東京ビルメンテナンス協会(東京都荒川区)がまとめた「平成27年清掃業務の実態調査報告書」では、トイレ清掃に「苦労や問題がある」と回答した割合は35・5%と最も高かった。「トイレ清掃の負担を軽減できないものか」や「UFBを活用できないものか」との思いから実用化およびサービス提供に向けた検証を開始。検証に2年を費やし、名古屋の本社ビルでも試験を重ねながら2024年にサービス化へとつなげた。
T-Bubble導入による効果は大きく3つ。1つ目が清掃作業の負担軽減による人件費の削減。これまでのトイレ清掃は液剤噴霧、スポンジによる洗浄作業、洗剤分リンス洗浄、便器拭き上げまでを「本清掃(作業)」として、1つの便器(大便器・小便器ともに)に約2・5分間かつ毎週5回行っていた。これがT-Bubble導入後、本清掃は週1回へ。それ以外の4回は便器拭き上げのみの簡易清掃となった。簡易清掃は1つの便器に約0・5分。大幅に作業負担を軽減しながら、清掃品質は全く落ちていない。
2つ目は、排水管に固着した尿石等の除去。これまで横引き配管内の合流口付近や配管の底部といった流れる水量が多い箇所に尿石が堆積していた。臭いのもとやトラップ溜まりの原因にもなっていた。これがUFB水によって抑制。配管内だけでなく小便器内部の汚れも抑制され、汚れが減ることで臭いの軽減効果も確認できた。
3つ目は、洗剤量削減によるSDGsへの貢献。ATP検査を用いた検証実験を行い、水道水、アルコール、次亜塩素酸水と比較して、どれだけ有機物汚れが減少したかを確認。使用前と使用後での有機物汚れの減少率(%表示)を見ると、水道水56%、アルコール68%、次亜塩素酸水85%に対して、UFB水は91%。洗剤を使用しての洗浄作業の回数を削減することができ、SDGsにも大きく貢献することが証明された。
営業セクター 営業部の松本惠介部長は「本社ビルで実証実験を行った時、ビル全体で便器が59基ありましたので、1日の稼働時間を算出すると147・5分。毎月の清掃合計時間は50・2時間となります。これを週1回の本清掃と、週4回の簡易清掃(トイレ1基の平均清掃時間は約0・5分)とした場合、毎月の清掃合計時間は18・5時間。従前から約63%削減できてもこれまでと同水準のクオリティを保てることが分かりました。ちなみに設置工事費を人件費に換算すると、大便器・小便器合わせて約70個以上ある物件では3~5年程度で回収が可能です」と成果を述べた。年内にはマンションおよびホテルの付加価値向上を目的として、新たに6物件への導入が決定した。
大型物件ほど便器の個数が多いため設置工事費は高くなるが、清掃コストの削減効果は大きい。また便器洗浄器がなくても尿石の除去が期待できるため、毎月発生するレンタル料分の原価削減にもつながる。地下ピット式や中水を利用している場合にも問題なくUFBを発生できる。これからの不動産賃貸業・管理業においては、日々のメンテナンスコスト削減と長寿命化を見据えた取り組みがより重要となる。UFBがこれらの課題解決に貢献できる。
UFB TECH 温泉施設に配管直結型のUFB生成ノズル設置
UFB TECH(東京都中央区)は、8月3日にリブランドオープンした福井県福井市の温泉複合型健康増進施設「ONSEN&SAUNA RESORT かいはつの湯(以下かいはつの湯)」に、配管直結型のウルトラファインバブル生成ノズル「UFB DUALR」を導入した。
かいはつの湯は、ユー企画(福井県福井市)が運営する温泉複合型健康増進施設。1996年の開業以来「コミュニティリゾートリライム」として地域に親しまれてきたが、昨年11月の事業承継を契機に温浴施設を展開する、越のゆグループ(福井県福井市)の一店舗となった。今年5月から約3カ月にわたり、大規模リニューアルを実施。8月3日にリブランドオープンを迎えた。
今回は館内へUFB水を供給する全館給水系統に100A、高濃度炭酸泉を生成する系統に65Aの「UFB DUALR」を設置。これにより浴室のシャワーや洗面設備だけでなく、厨房、トイレ、手洗い、日常清掃等にもUFB水を供給する。利用者の温浴体験とともに、温浴施設における水回り・配管の衛生管理を水インフラから支える。
「UFB DUALR」は、全国水利用設備環境衛生協会(東京都台東区)の推奨品。温浴施設の配管やろ過設備の内部では、ぬめり状の生物膜であるバイオフィルムが形成されることがある。厚生労働省は循環配管内のバイオフィルムをレジオネラ属菌の温床と位置付け、定期的な除去と消毒の必要性を示している。同製品はUFBによるバイオフィルムの剥離・除去を補助することで、レジオネラ属菌が生息・増殖しにくい水環境づくりを支援している。施設で水を使用するたびUFB水が流れるため、日常的な通水を通じて、配管や水回りの衛生維持を補助できる。



