週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

木造建築ブランド「&forest」第1号物件竣工 物流・研究施設・ラボ機能を備えた新産業創造拠点

2026.06.29 11:29

 三井不動産(東京都中央区)が神奈川県海老名市で開発中の物流・研究施設・ラボ機能を備えた複合業務施設「三井不動産インダストリアルパーク海老名(MFIP海老名)&forest」が30日に竣工を迎える。マルチテナント型物流用途を含む施設としては国内で初めて一部木造を採用し、木造建築ブランド「&forest」の第1号竣工物件となる。
 「MFIP海老名&forest」の立地は神奈川県海老名市中央5丁目。海老名市役所周辺地区に位置し、圏央道「海老名」ICから約2・8km、小田急線・相鉄線「海老名」駅から徒歩9分、JR相模線「海老名」駅から徒歩11分と交通利便性に優れる。
 同施設は敷地面積約1万9823㎡、延床面積約4万219㎡、鉄骨造一部木造地上4階建ての複合業務施設。1~2階を物流用途、3~4階をオフィス・研究施設・ラボ等に対応可能なマルチユース区画として整備しており、三井不動産では「物流・研究施設・ラボ機能を備えた新産業創造拠点」と表現している。
 専有部には全フロアに給排水設備を備えるほか、積載荷重1・5t/㎡・天井高5・5m以上(4階のみ7・5m)、72時間対応の非常用発電機も備える。1フロアは約9000㎡、マルチユーススペースは約1000㎡の小割区画に対応し、空調・換気設備やフォークリフトも乗り入れ可能な環境を整備した。
 入居テナントは新日本空調(東京都中央区)が研究開発拠点の開設を予定しているのをはじめ、横河レンタ・リース(東京都新宿区)が既存の拠点を集約してテクニカルセンターを開設。ファスマック(神奈川県厚木市)は食品遺伝子検査などを実施するラボとして入居する予定。
 3階にはコンセプトが異なる2つのラウンジを整備した。「フォレストラウンジ」は三井不動産グループ保有林の自然音を再現する音響システム「KooNe」を導入。壁面は海老名市内から一望できる丹沢大山の眺望をモチーフとしたデザインとした。一方の「EBINA HUB」はバー空間を思わせるカウンターとともに、プロジェクターやモニター、スピーカー、マイクを設置。平常時は入居ワーカーの交流・休憩空間として利用できるほか、入居企業の社内イベントやプレゼンテーション等にも活用可能な空間として整備した。
 共用部は国産材を活用した木造で構築した。構造には木造柱と木鋼ハイブリッド梁を採用し、2時間耐火構造部材により安全性を確保。屋内階段の一部に三井不動産グループ保有林のトドマツ材を活用した木質化を施している。
 また海老名市と連携し、敷地の一部に約2000㎡の公園を整備。沿道には長さ約200mの歩道状空地を整備するとともに樹木やベンチを配置し、ウォーカブルなまちなかを形成。街区には今後、温浴施設や住宅の建設等も予定されている。 環境対策としては「Nearly ZEB」を取得するとともに、「BELS」認証で最高評価となる星6を取得するほか、「DBJ Green Building」認証と「CASBEE」評価でAランクの取得も予定。また同社グループの保有林を含む森林で伐採・搬出から現場施工までの商流をつなぐことで、「SGECプロジェクトCoC」認証を取得した。
 三井不動産では「MFIP海老名&forest」を、「テナント企業の柔軟な拠点創造を支援し、社会のイノベーション・付加価値の創出の場となることを目指した複合業務施設」に位置付ける。企業や人材の集積を促し、周辺のさらなる賑わい創出や地域活性化に貢献。「海老名」駅近接の立地を生かして新たな産業創造拠点となることを目指す構えだ。




週刊不動産経営編集部  YouTube