週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
エヌ・シー・エヌ 首都圏エリア初の木造5階建てビル「Wood Five Story(仮称)」構造見学会を開催
2026.05.25 11:14
木造耐震設計事業を展開するエヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)と建設会社の安藤建設(横浜市磯子区)は共催で、3月27日と28日の2日間、横浜市磯子区で建設中の木造5階建てビル「Wood Five Story(仮称)」の構造見学会を開催した。
「Wood Five Story(仮称)」は、エヌ・シー・エヌ独自の木造軸組ラーメン構法「SE構法」を採用した木造5階建てビルの建設プロジェクト。1~2階は施工を担当する安藤建設の自社オフィス、3~5階は共同住宅11戸とする複合用途モデル。SE構法による木造5階建てのビル建設は、福岡市博多区で進行中の「上川端ビル(仮称)」に続き全国で2棟目。首都圏エリアでは初。場所はJR京浜東北・根岸線「新杉田」駅から徒歩約5分、横浜市磯子区中原2丁目に立地。延床面積は703・3㎡。敷地面積は213・01㎡。構造設計はエヌ・シー・エヌの特建事業部、環境設計は環境設計部が担当。施工は安藤建設が行い、意匠設計は横浜市都筑区のカサプルデザインが担当した。
特徴はオフィスと住居複合のビル建設でありながら、SE構法を採用していること。SE構法とは「Safety Engineering構法」の略。鉄骨造や鉄筋コンクリート造で主流のラーメン構法を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に施工できるようシステム化した建築構法のこと。同社は年々多様化する中大規模木造建築に対応するため、5階建ての要求性能を満たす高強度な耐力壁と、それに対応する高耐力柱脚金物を開発。ボックス型の高耐力柱脚金物を基礎と連結することで、地震でも外れることなく高い強度を実現。かつ設計の自由度と、収益性や工期の短縮、環境貢献、施工性等にも優れており、設計者・事業主・施工会社の各立場における最適解を実現した。
合理的な構造設計ができ、プレカット工場へ設計データを送れば、プレカットデータとも連携できる。さらにSE構法は、日本建築センター(東京都千代田区)の構造評定を取得。この評定により、SE構法は標準システムで地上5階建てまでの対応が可能となった。狭小地での施工性、埋め立て地や建築構造的に困難な地質でも対応できる点などから、都市部における中高層規模での木造建設の課題解決に貢献できる技術と注目されている。
構造見学会の冒頭では安藤建設の担当者が登壇。「脱炭素社会の実現に向け建築業界では木造化が注目されるなか、本物件は神奈川県を中心に保育園や高齢者施設、学校などの公共性の高い施設建設を幅広く手掛けてきた安藤建設の高度な『施工力』と、エヌ・シー・エヌが提供する『構造設計・環境設計』を融合した木造建築プロジェクトです。横浜市が推進する木造化の指針に沿った都市型建築のロールモデルと捉え、横浜から始まる木造建築の新潮流としてこれを機にさらなる木造化推進に貢献してまいります」と述べた。
ちなみに今回のプロジェクトでは、構造材・羽柄材を合わせて約96トンの木材を使用。建物全体で約211トンの二酸化炭素を貯蔵することで炭素固定による脱炭素への貢献となった。竣工は2026年7月の予定。



