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野村不動産 コリビング賃貸レジデンス第2弾を竣工

2026.04.06 10:44

複数拠点の相互利用サービスも開始
モダンクラシックがテーマ 160戸の大規模供給
 野村不動産(東京都港区)は先月12日、東京都北区東田端1丁目にコリビング賃貸レジデンス「TOMORE(トモア)田端」を竣工した。
 「TOMORE」は野村不動産が進めるコリビングシリーズで、2025年2月に完成した「TOMORE品川中延」に次ぐ第2弾物件。JR「田端」駅徒歩7分、東京メトロ・日暮里舎人ライナー「西日暮里」駅から徒歩9分と2駅4路線が利用できるアクセス至便性も特徴だ。敷地面積639・58㎡の地上8階建て。全160戸と一般的なコリビングと比べても大規模となる。
 第一弾の「TOMORE品川中延」ではコンパクトなつくりの専有部、仲介手数料、敷金、礼金ゼロ等の身軽に住まうことができる機能を充実させ、20代後半~30代の社会人単身者をターゲットに引き合いを集めてきた。立地性も後押しし、竣工から1年の現在はほぼ満室の状況となっている。
 「TOMORE田端」においても同様の層をターゲットに、「一人暮らしの快適性」を追求しつつ、コミュニティオーガナイザーが常駐するコワーキングスペースなどを整備。居住者同士のコミュニティ機能とプライベートの確保を両立させるバランスの良い機能・サービスを整えた。物件コンセプトは「Modern Classic」。田端エリアの持つアクセス性、自然、そして芥川龍之介などの文豪のゆかりの地として知られる文化的要素などの魅力を生かし、「健やかな暮らし」と「心のゆとり」を育む空間デザインに仕上げている。

デカフェやシェアライブラリ 充実した共有設備・サービス
 共用部は1階のコワーキングラウンジ、および2階のコリビングスペースで構成される。約90㎡のコワーキングラウンジには、カウンターテーブルや個室ブース、デュアルモニターを完備したワーキングゾーンと複数人で集まってだんらんを楽しめるソファなどを設えたコミュニティゾーンを整備。その日の気分で快適に過ごせるゾーニングを施した。またNUMABOOKS(東京都世田谷区)と連携したシェアライブラリー、ストーリーライン(仙台市青葉区)が提供するカフェインコントロールコーヒーが飲めるなど入居者が快適に過ごせるサービスも充実。プロジェクターなどの設備も整っており、トークイベントなどに活用することもできる。
 一方で約120㎡のコリビングスペースはキッチンやダイニングを備えるホテルライクな設えとした。キッチンゾーンには電子レンジのほか、「TOMORE品川中延」でも要望が多かったという炊飯器を複数台導入。居住者の健康面をサポートする。またバルコニーやミニバーを併設したソファゾーンも設けており、居住者同士のコミュニケーションの場としての機能も期待される。
 専有部は12・24~15・68㎡。身軽な一人暮らしをしたい人に最適な、コンパクトな間取りとした。各住戸にはシャワー、トイレ、洗面台などの基本的な水回り設備と、ワンルーム同等の収納を完備している。また、一部住戸にはバスタブを設けている一方で、近隣に立地するスポーツクラブ「メガロス田端」と提携。1日1650円で利用が可能で、バスタブ設備のない部屋の居住者は同施設での入浴ができる。ランドリーは共用設備としてPanasonicの「LAUNDROOM」を採用。利用状況や待ち時間を、部屋にいながらスマホアプリ上で確認できるサービスが付帯する。
 今回の「TOMORE田端」から「TOMOREホッピングサービス」を新たに導入する。同サービスは多様化するライフスタイルや働き方を踏まえ、「柔軟に変更できる選択肢」の追及を目的につくられた。具体的には「TOMORE」シリーズの他の物件への転居の際の敷金、礼金、クリーニング費用をすべて無料にしたうえで、引っ越し費用の割引を実施。より身軽に住まいを移ることができる。
 加えて「TOMORE」シリーズのコワーキングラウンジの相互利用機能も付帯。居住地以外のコワーキングラウンジで開催されるイベントにも参加が可能となり、より多くの人々とのつながりを持つ機会を作れるようになる。
 「TOMORE」は第3弾物件以降も計画されており、今後物件が開発されるとともにホッピング先の選択肢も広げていく算段だ。先月16日に行われた内覧会のなかで、賃貸・シニア事業部 賃貸住宅事業二課長の黒田翔太氏は「なぜ今コリビングなのか。コロナが明けてリモートワークが定着すると、住む・働くということがますますシームレスになっているにもかかわらず、リアルタイム、オフラインでのつながりはどんどん分断されてきている。こうした状況と都市部の家賃が高騰するなかで、暮らしの分断をしっかりと結びつけながら今の都市部での暮らしをもっと豊かにしたいという思いを抱いています」と話した。
 「コリビング」と聞くと起業家やフリーランス層からの需要を連想する人が多いかもしれないが、「TOMORE品川中延」に入居する人は現状で約8割が会社員。一般的なシェアハウスとは違い、「TOMORE」では入居者同士の交流機会について、入居者自身にゆだねられるところが大きい模様だ。一方、「TOMORE品川中延」ではこれまでに10組ほどのカップルが誕生している背景もある。人とのつながりを潜在的に求めている人は少なくないのかもしれない。リモートで完結できることが多い今だからこそ、不動産のソフト面においては人とのつながりがキーワードのひとつとなるだろう。




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